前回2006年9月に書いたときとライブラリーは全く増えていない。ここ3年新譜らしきものが出ていない。
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1.エフゲニー・スヴェトラーノフ/USSRso.
1966 MELODIYA
2.ミヒャエル・ギーレン/南西ドイツRso.
1975.5.28 NHK-FM (**注**)
3.キリル・コンドラシン/コンセルトヘボウo.
1976.2.12 ETCETRA
4.エリアフ・インバル/フランクフルトRso
1978 PHILIPS
5.リッカルド・ムーティ/ベルリン・フィル
1987.5.31 NHK-FM
6.ダニエル・バレンボイム/パリo.
1987.11 ERATO
7.ジュゼッペ・シノポリ/ニューヨーク・フィル
1988.1 WQXR
8.ジュゼッペ・シノポリ/ニューヨーク・フィル
1988.1 DG
9.リッカルド・ムーティ/フィラデルフィアo.
1988.4.29,30 EMI
10.レイフ・ゼーゲルスタム/ストックホルムpo.
1989.8.14,15 BIS
11.ヴァレリー・ゲルギエフ/レニングラードpo.
1989 LENINGRAD MASTER
12.エフゲニー・スヴェトラーノフ/USSRso.
1990.4.14 RUSSIANDISC
13.ウラディミール・アシュケナージ/ベルリンRso.
1990.4.22 NHK-FM
14.ウラディミール・アシュケナージ/ベルリンRso.
1990.5.23 LONDON
15.ネーメ・ヤルヴィ/デンマーク国立Rso.
1990.5.31-6/2 CHANDOS
16.リッカルド・ムーティ/ウィーン・フィル
1990.10.21 NHK-FM
17.ドミトリー・キタエンコ/ベルゲンpo.
1990 VIRGIN CLASSICS
18.ジョン・プリッチャード/BBCso.
?頃 BBC ARTIUM
19.アレクサンダー・ラザレフ/NHKso.
1994.2.16 NHK-FM
20.エフゲニー・スヴェトラーノフ/ロシア連邦so.
1996.5.16-20 EXTON
21.ミカエル・プレトニョフ/ロシア国立o.
1998.3 DG
22.アレクサンダー・ドミトリエフ/ペテルスブルク・アカデミックso.
2003.9 WLA
23.リッカルド・ムーティ/ウィーン・フィル
2005.5.2
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上から二つ目のミヒャエル・ギーレンの演奏は最後の二つの打撃音が無い。盛り上がって突然終る。編集ミスかと思われたがNHKの解説者は平然と解説を始める。当時、知られていない曲とはいえ、ありえない。のちにどこかで文章を読んだ記憶があるのだが、このように終わる解釈もあるらしい。消化不良気味なのがギーレンらしい。 . ● ●
以前書いたときは、この曲を十八番にしているムーティ、それにシノポリの演奏について少し書いたが、今回はバレンボイム。
バレンボイム指揮パリ管の方向は、ロシア風マスサウンド、へヴィー級サウンドとはかなり異なる、かといってきらびやかな演奏というわけでもない。この演奏の解釈としてはかなり異色。
前奏部分は滑らかというか、スローでワーグナーでも始まるのかといった雰囲気。その遅めのテンポは最後までかわらない。
聴き進めるうちに異常に丁寧な棒さばきにはまり込む。フレーズ毎の響きを重視した解釈で、モザイク風に進む。ある部分だけ聴きとるとスクリャービンの3番のようには聴こえない個所が多々ある。まるでラヴェルのマメールロワであったり、シェーンベルクの浄夜であったりする。
アップテンポのところも全く急かさない。かといって悠然たる響きというわけでもない。飽くまでも変奏曲の響きの変化を提供する。
52分オーバーの演奏でスヴェトラーノフまではいかないがかなりスローだ。
最後の空白の滞空時間も、誰のが一番長いのか知らないが、心理的には圧倒的なバレンボイムの解釈だ。