河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1519- ワルキューレ、ローウェルス、プロダクション、沼尻竜典、神奈川フィル&日本センチュリー響2

2013-09-23 00:40:00 | インポート

10
.
11

.
2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
.

.
2013.9.14satキャスト1
2013.9.15sunキャスト2
2013.9.21satキャスト1
2013.9.22sunキャスト2
.
2013年9月21日(土)2:00pm びわ湖ホール
.
ジョエル・ローウェルス プロダクション
.
ワーグナー  ワルキューレ
 第1幕 63分
 第2幕 92分
 第3幕 68分
.
ヴォータン、青山貴
ワルキューレ、8人
フリッカ、小山由美
ジークムント、福井敬
ジークリンデ、大村博美
幼少のジークムント、末本眞央
幼少のジークリンデ、秋山珠羽沙
フンディング、斉木健詞
フンディングの仲間たち、(省略)
(以上第1幕に出ます)
ブリュンヒルデ、横山恵子
少女時代のブリュンヒルデ、小宮優
 (第2幕で揃います)
以上、in order of appearance
.
沼尻竜典 指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
日本センチュリー交響楽団
.

先週2013.9.15に続いてのワルキューレ。キャストが変わりました。
先週の感想では演出のことを書きましたが、そのあとこの日の公演を観る前にもう一つわかったことがありますので書きとめておきます。
第3幕のローゲ・ファイアーに包まれて通常、幕が下りるのですがこのプロダクションでは、曲が終わる前に幕が下りごく短いですがもう一度幕が開きます。ヴォータンのお城に家族がそろっている。そこに亡霊ジークムントがあらわれる。よく来たというしぐさのヴォータンの手を払いながらも、その家族の中に入っていき、幕。
この最後のシーン自体ショッキングな演出ですが、このシーン、どこかで観た。
第1幕の最初のヴォータンがあらわれるシーン、そのあと2つ目のシーンがこれです。全く同じ構図。
この演出の組み立てはどのような意図でなされたのかは知りませんが、ヴォータンの前にあらわれる家族の幻影、憧憬、頻繁に出てくるがそのうちの一つなのか、最初が実在で最後の方は亡霊といった単純な構図でもないような気がするし。
ローウェルスのリング・サイクルとしてのプロダクション構想があれば観てみたいものだ。
.
ということで、
この日の公演は、キャストがガラッと変わり、オールジャパニーズ。
別のオペラ感想でも何度か書いていますがこの日のジークムント役は、自分の持っているヘルデンのイメージの声と異なり、喉に横幅があるというか声が広がり過ぎでイメージが合わない。黒光りする突き刺すようなヘルデン・テノールのイメージが自分としては欲しいので、たくさんの賞賛の中、今一つ没頭できない。じゃなんでびわ湖まで聴きに行くの?という話になるのかもしれませんが、第一義的にはワーグナーの天才の脳を見たいからです。
まぁ、それはそれとして福井は、ピッチが良く安定していて慎重すぎるくらい丁寧な歌でかなり用意周到な練習量であったことは言をまたず、素晴らしい出来であったのは確かなんです。若さとは別かもしれません、経験に裏打ちされた正確性のようなものがあふれ出ておりました。
.

ワルキューレ第2幕は90分かけてリングのストーリーの転換点を示していく。本当に味わい深い、聴けば聴くほど味が出てきますね。この幕で一番好きなところはヴォータンが長い時間かけてブリュンヒルデに語りかけるところ。通常のプロダクションだと第2場。歌なのか語りなのか名状し難い心の響き、それに寄りそう見事な音楽。
ストーリーの理不尽な展開の起点は既にフリッカにより第1場で示されている。第2場は語りかける内容もさることながら親と子の見つめ合い、聞くブリュンヒルデ。ワーグナーのひらめきが静かに広がるところだ。
ワーグナーは自分でストーリーを作り、歌詞テキストを作り、曲を作り、それで頭韻を踏んで、・・などと言われると、聴けば聴くほどアンビリーバブル・ワールド!
.
告知のあと、ブリュンヒルデがお父さんとの約束をちょっと破り、でも結果は同じ。だけど罰は受ける。このシーケンス。通常ならフリッカの場より前から5場使って作り上げます。ローウェルスの演出もさすがに第2幕の場については出し入れが少なかったような気がしますが、登場人物の変わり目のところで幕の上げ下げがありますのでやはり、場ではなく場面というイメージが強い。
.
内容のつまったこの第2幕のあとの第3幕は長いと思ってしまうのだが、ここは思いっきりエンターテイメントを楽しめばいいと思う。幻影の家族がそろっていつの間にかいなく、その部分のヴォータンはこの日はグリムズレイほど決まりませんでした。見た目や動きも大事な要素のヴォータンではあります。声は出ておりました。
.
それからブリュンヒルデもヨハンソンなみではなくともかなり強烈に響き渡りました。ただ、見た目がワルキューレ8人とあまり区別がつかない、衣装で工夫が必要かと思いました。8人衆は、今回の方(キャスト1)が前回の方(キャスト2)より若干上だと思います。アンサンブルの緻密さとピッチそれに8本の馬力。
ジークリンデは、ど迫力で弱々しさはない。
フンディングは、演技はキャスト2が上だが、今日の方が役柄にマッチ。
.

沼尻の棒は精力的。左腕は大きなアクションではないが、的確に歌い手にキューを与えている。こんなに頑張っているのにオケの汚れは前回から未改善。この合同オケよくありません。特に両サイドに分かれているブラスの響きはかなり聴くぐるしい箇所あり。
ホールの音響は前回2010年のトリスタンのときにも感じたが、1階センターにいても音が来ない、みぎひだりに分かれて後方に行ってしまう感じ。
おわり


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。