2018年9月7日(金) 2:00-5:00pm オペラパレス、新国立劇場、初台
東京二期会 プレゼンツ
プッチーニ 作曲
ダミアーノ・ミキエレット プロダクション
三部作(外套、修道女アンジェリカ、ジャンニ・スキッキ) 47+49、50
CAST、外套
ミケーレ、今井俊輔(Br)
ジョルジェッタ、文屋小百合(S)
ルイージ、芹沢佳通(T)
イル・ティンカ、新津耕平(T)
イル・タルパ、北川辰彦(BsBr)
ラ・フルーゴラ、小林紗季子(Ms)
流しの歌うたい、西岡慎介(T)
他
CAST、修道女アンジェリカ
アンジェリカ、文屋小百合(S)
公爵夫人、与田朝子(Ms)
ジェノヴィエッファ、船橋千尋(S)
他
CAST、ジャンニ・スキッキ
ジャンニ・スキッキ、今井俊輔(Br)
ラウレッタ、船橋千尋(S)
リヌッチョ、前川健生(T)
他
合唱、二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
児童合唱、NHK東京児童合唱団
ベルトラン・ド・ビリー 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
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外套がそのままアンジェリカにつながるのは、インターミッションどうのこうのではなくて、意図された演出であるというのは衣替え等含めよく理解できるものであった。最初の外套は見た目にもヴェリズモ雰囲気が濃厚に作り込まれたもので、音楽もその外套の次の緩徐楽章のようなアンジェリカでぴったりはまる。作品の腰の弱さをおぎなうという印象は皆無で、性格や濃淡の対比感覚に優れた見事な演出と歌唱でした。ここまでで非常に充実した公演と、目が一段と覚める。
休憩を挟んでジャンニ・スキッキはがらりとモードが変わる。ドタバタ劇、プッチーニ節、擬音効果、色々と冴えまくる。品のある喜劇という感じ。前二つにもまして、キャスト連のしぐさがツボにはまりまくる。エンジョイ。
最後はコンテナが折りたたまれ、三つがここで一つに繋がった、なるほどなの演出。満足感も大きいもの。
ボエームが4楽章シンフォニーの様相を呈しているとすれば、この三部作はいわばコンチェルトみたいなものだな。プッチーニの泣き節、そして音楽の全体構成感も忘れてはなりませんね。
出演の皆さんの動き、容姿、着こなし、妙な話かもしれないが、日本人離れしていて、良く決まっていた。自然で生き生きしていて本当に楽しかったですね。特に文屋さん船橋さんには惚れました。
ド・ビリーは前回4年前のアラベラも素敵でしたがあの時は指揮者一人が随分と上をいっている感じもありました。今回はいい混ざり具合。東フィルは指揮者次第というところがあって、こわい部分もありますね。お見事な内容でした。抜群の説得力で鮮やかな棒。
外套での切れ味と粒立ちの良さ、アンジェリカでのしっとり感、オケが倍規模に膨らんだスキッキでのマイルドな光沢、そこはかとなく漂う潤いのある演奏。プッチーニの美しさを存分に表現していて惚れ惚れしました。美味で素敵。プッチーニ満喫しました。ありがとうございました。
おわり