2018年9月8日(土) 2:00pm サントリー
プーランク シンフォニエッタ 8-7-6-7
三善晃 ピアノ協奏曲 13
ピアノ、萩原麻未
(encore)
三善晃 波のアラベスク
Int
デュカス 魔法使いの弟子 10
デュティユー 交響曲第2番ル・ドゥーブル 8-9-12
山田和樹 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
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2018-19シーズン・オープニング・コンサート。
曲種のバリエーションも含め、フランスモードをふんだんに盛り込んだプログラム。腰が浮きそうな響きを楽しめそうだ。と思っていた通りの内容で色々と満喫。
プーランクのシンフォニエッタはむしろ規模が大きく感じられる。コンパクトな2管編成で骨組みのしっかりした作品でプーランクサウンドを楽しめる。
ヤマカズ、日フィルは最初の曲から余裕の演奏ですね。
三善はフランス影響繋がりということで取り上げられたのかもしれないが、内容はとてつもなく激烈。
16型編成の空恐ろしい音響空間のなかを、密度高く押し込んだ濃厚フレーヴァーなメシアンモードのパッセージを、まるでパーカスの如く叩きまくるピアノは、見た目要素も必須、みたいな感じで暴れまわる。オーケストラとピアノの音の戦いのようだ。沸点の違う二つのエレメントをシャッフルして混ぜたらどうなるか、融合でも対立でもなくて、なにか独特な立体的音響空間が出現した。白熱の激演。三善の思いはどこらあたりの高みまで飛んでいたのだろうか。
萩原、ヤマカズ、両者の登場退場の歩くステップの速さがうらやましい。
デュカスの作品は次のデュティユーも含め、今日の中では結果的に音楽的な充実度が一番希薄と感じた。
ストコフスキー版は耳新しいところもあるけれども、やっぱり、描写音楽の限界とは言わねど、今日の作品群の中にあっては、型、と違ったものがポツンと一個、といった感が否めない。
デュティユーのダブル、この作品を聴くのは2度目。オーケストラの二重配置がユニークで、小さなオケの輪、それらを取り巻く通常規模のオケ。トリッキーな響きを求めることはまるで無くて、相互干渉のようなものが耳と目を通して伝わってくる。
メインとなる上昇音型は疑問の具体的な形なのだろうか。
シーズン開幕、コンディションをトップに持ってきた指揮者とオーケストラ、さすがの充実公演でした。冴えた棒とオケサウンド。両方満喫しました。
ありがとうございました。
おわり