2017年3月11日(土) 6:00pm みなとみらいホール
サン=サーンス 序奏とロンド・カプリツィオーソ 12′
マスネ タイスの瞑想曲 6′
サラサーテ ツィゴイネルワイゼン 8′
ヴァイオリン、前橋汀子
(encore)
バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番よりサラバンド 3′
Int
マーラー 交響曲第1番ニ長調 巨人 13′9′10+20′
(encore)
マーラー 交響曲第1番ニ長調 巨人より 第4楽章よりフィナーレ 1′
小林研一郎 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
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さらに進化した前橋ヴァイオリン、張りつめた音、集中力。一音ずつ全てに深い意味がある。それを一音ずつ味わい尽くす。この深さ、空気さえ切る。世界最高峰の技を再実感。これら3曲、演奏されつくしていて陳腐と言っていいかもしれない。それをまるで今生まれたかのように切れば吹き出すしぶきの演奏。ソロ技を聴く醍醐味ここに極まれり。名人芸というのは通俗名曲を息する間もなく聴かせてくれる。凄いもんです。
そして炎棒は伴奏の神髄を魅せてくれました。ソロ技と一体化したものでサポートレベルを完全に超えている。まるでソリストが二人いるような錯覚、これも至芸。
この前、素晴らしいマンフレッドを聴かせてくれたばかりの炎さん。
2285- チャイコン1、金子三勇士、マンフレッド、炎、2017.3.3
今日の巨人でも聴かせてくれました。マンフレッドのときとはずいぶんと違う演奏で、始終バスドラが唸り、オケ全体が地鳴りのような響きとなる。緩急自在な筆の運び。最後はブラス総立ち、さらにホルンはスタンディングベルアップ、鳴らせるだけ鳴らした演奏。テンポを上げつつフィニッシュ、割と現代風味なあたりもある。強烈な演奏でした。
ヒートアップするにつれ両腕での指揮が多くなりますけれども、そういったところ以外ではだいたい右手一本の振り。前はこんな振りではなかったはずだがとフト思う。前は遠心力の様な振りで空気を泳ぐような無駄な動きが多かった。今そのような無駄な振りはない。
すっきりとしたものを感じさせてくれますね。淡泊と言ってもいいかもしれない。オケメンは彼に慣れているというのもあるでしょうが、以前の様な崩れは無くなりました。
脂ぎった炎から、核心の炎への変容。久しぶりにいい味わいの巨人を満喫。
アンコールで最後のところをもう一度演奏。こうゆうのは聴いたことありませんね。楽しい一夜でした。ありがとうございました。
おわり