1983-1984シーズン聴いたコンサート観たオペラの一覧はこちら
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1984年のホライゾンもこの日を入れて残すところ二日間。
この日は、指揮者二人の登場である。
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1984年6月7日(木)
エイヴリー・フィッシャー・ホール
6:45PM
What’s Score?
Meet the Composer
楽譜ってなに?
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8:00PM
NEW YORK PHILHARMONIC
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GEORGE CRUMB
A Haunted Landscape(world premiere)
ARTHUR WEISBERG, conductor
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OLIVER KNUSSEN
Where the Wild Things Are,
Libretto by Maurice Sendak
(U.S. premiere, complete concert version)
Karen Beardsley, soprano
Kimball Wheeler, mezzo
ZUBIN MEHTA, conductor
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ジョージ・クラム作曲
魅入られた情景(世界初演)
アーサー・ワイズバーク指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
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オリバー・ナッセン作曲
ワイルドなもののいるところ
(アメリカ初演、完全演奏会版)
カレン・バーズレイ、ソプラノ
キンボール・ホィーラー、メゾ
ズービン・メータ指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
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近年における現代音楽の傾向かどうか知らないが、とにかくパーカッション・セクションがすごい。
巨大に膨れ上がった楽器とその数。
ただし、全てのパーカッションが同時に演奏されることはないので音量まで巨大になることはめったになく、むしろ音色の変化を求めているようだ。
クラムの曲は低音にある種のライト・モティーフのようなものをもたせ全体として、かなり統一がとれた作品である。
パーカッションの華やかさが、軽薄さにつながることなく、落ち着いた曲である。
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ナッセンの曲はいわゆる舞台形式のオペラである。これも膨大に膨れ上がったパーカッションに対抗するためかどうかは知らないが、歌い手の声は全てマイクを通してある。
いわゆる印象主義的な音楽傾向をもう少し推し進めたようなフレーズのかたまりであり、その歌の明確さとともに聴衆にはかなりうけた。
やはり声がはいり、そのせりふが聴きやすいということは聴衆の音楽に対する理解の第一歩となる。
現代の音楽で40分という時間を少しも飽きさせることなく聴かせるというのはかなり難しい作業だと思うのだが、ひじの手術後はじめて棒を振るメータ(注)も快調であり、音楽が引き締まっており、一瞬たりともだらけるようなところはなかった。
ナッセンは1952年生まれの大巨漢であった。
おわり
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注:ズービン・メータのテニスひじ
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