河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

トゥーランドット ミラノ スカラ座1988 -5-

2006-10-05 00:01:00 | 音楽

5

ゼッフィレルリ・プロダクション。

氷のようなトゥーランドットが第1幕終結部で歌うことはないが、舞台がせりあがり一瞬凍てつく氷の美しさを魅せまた沈みこむ。メトでならこのようなことが可能。

華麗な舞台は日本では望むべくもない。奥行きのないNHKホールではいかにもスケールの小さな幻滅する舞台であった。

オケピットにはいったマゼールも舞台との角度の問題があったのか、上半身ほとんど上にはみ出ており目ざわり。

この日はこんな感じ。

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1988924()18:30NHK HALL

プッチーニ/トゥーランドット

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トゥーランドット、ゲーナ・ディミトローヴァ

カラフ、ニコラ・マルティヌッチ

リュー、ダニエラ・デッシー

ティムール、ポール・プリシュカ

指揮、ロリン・マゼール

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ホールのスケール感がなく、これでは華麗を極めるゼッフィレルリ・プロダクションも効果半減。興を殺がれたまま舞台は進行する。イメージが全てメトとの比較になってしまうため、はっきりいってつまらない。なにもかもがサイズ半分といった感じである。

マゼールも苦労することもなく、高いポーディアムで狭い舞台を眺めながら交通整理をしている感じ。

日本でトゥーランドットを舞台にのせようと思ったら、逆に何もない舞台のほうが大きく見せることができるのではないか。華麗さはゼロになるけれど、日本人は何も舞台にないワーグナー風には耐えられる。(昔から)

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それでも舞台は進行する。

ディミトローヴァは、氷のような美しさというよりは、威厳のある鬼嫁風にカラフに質問を浴びせていく。怖い。でも答えるカラフ。

マルティヌッチは本場テノールの声。パヴァロッティやドミンゴの脂が乗っていた頃というのは、テノールの声はこんなに細くていいのか、と思った。細い芯が遠くまでとどくようなサウンド。ソプラノのカヴァリエも同じ。あのような芯があって細いピアニシモなんて聴いたことがない。

マルティヌッチのテノール声もそのような想いを思い起こさせる。

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マゼールは追補前後あたりから得意のけり上げる足と棒がうまく正比例しはじめ、熱いエンディングをむかえることができた。さすがマゼールだ。

リューは世間が言うほど大きい役とは思えない。生の舞台の印象というのは、彼女は影の薄い存在に思える。デッシーがこの役を歌っていたとは今昔。

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1 コメント

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この公演のコメントを今見れるとは素晴らしい。私... (風太郎)
2008-05-09 23:02:29
この公演のコメントを今見れるとは素晴らしい。私は24,000円の席を買って見に行きました。生れて初めて見た歌劇。そして、その後は歌劇には一度も行っていません。

舞台が大掛かりゆえ、本格的なトゥーランドットの日本初演ではなかったでしょうか?今、この歌劇の名が有名になって、うれしく思います。
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