河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2600- ウェーバーcl協1、クール、アゲイン、ヴィトマン、コン・ブリオ、幻想曲、VC2、カロリン、イェルク・ヴィトマン、都響、2018.8.31

2018-08-31 22:08:45 | コンサート

2018年8月31日(金) 7:00-9:10pm サントリー

ウェーバー クラリネット協奏曲第1番ヘ短調op.73 8-7-6
  クラリネット、イェルク・ヴィトマン

ヤン・エスラ・クール アゲイン(2018)  世界初演  7

イェルク・ヴィトマン オーケストラのための演奏会用序曲(2008) コン・ブリオ  11

Int

イェルク・ヴィトマン クラリネット独奏のための幻想曲(1993/2011)  7

イェルク・ヴィトマン ヴァイオリン協奏曲第2番(2018) 世界初演  9-21+5
  ヴァイオリン、カロリン・ヴィトマン

イェルク・ヴィトマン 指揮&クラリネット 東京都交響楽団


サントリーのサマーフェスティバル2018のテーマ作曲家イェルク・ヴィトマンに集中的にスポットを当てた当夜の企画。5作品のうち3曲がヴィトマン作品。ウェーバーではクラリネットの吹き振りも。

その最初のウェーバーは吹き振りと言いながらあまり指揮をするところは無い。小型編成のオケに任せきりと言ってもよい。
吹きながら非常に体が動くので音が一様に前に聴こえてこないもどかしさがある。まだら模様の音が流れてくる。
陰影のつけ方がうまくてウェーバーがのっぺりとせず、色彩を感じさせてくれる。余裕のプレイですね。

次のクールのアゲイン。大きな編成。出だしはフィリップ・グラスの波打つような雰囲気を少し醸し出すが、すぐにそういったものから離れていき、いわゆる現代音楽のほうへ向かう。バッハの引用が形を変えてあるようだがわからなかった。アゲインの意味合いもわからなかった。現代音楽は必然的に短くなるといったあたりのことを再認識させてくれるような作品でした。

前半最後、3曲目にテーマ作曲家の作品が出てきた。コン・ブリオというなんとなくベートーヴェンみたいなタイトルですが、初演時、ベートーヴェンの7番8番と一緒に奏されることがあらかじめ想定されていて、タイトルだけでなく曲の引用や全体の雰囲気もそのようなことが塗りこめられている。
曲は律動ワールドで、ひたすらリズムをきざむ。エネルギッシュなパワー、推進力もあって面白い。現代の演奏会序曲に相応しいものですね。オーケストラもお見事。

後半1曲目は、無伴奏でヴィトマンのクラリネット1本勝負。腕の魅せどころ。
技巧を駆使した作品がナチュラルに響いてくる。きわどい盛り上がりも大したもので、こうやって一人技を見ていると、ヴィトマンは基本的に明るいなあと思う、作品もプレイもね。

締めは、妹さんのヴァイオリンでコンチェルトの2番。
3楽章形式だというがちょっと境目がわからなかった。タイミングは起伏目安のものです。ロマンスと名付けられた中間楽章が非常に長い。
第1,2楽章はヴァイオリンの独奏で始まる。また、両端楽章は歌唱しながらの弾きが出てくる。色々な趣向、技巧を駆使したものでした。
ヴィトマンのこだわりというべき色彩や音の組み合わせはこの作品では一旦横に置き、簡素化、形式がポイントになる作品のようですね。異様に長い中間楽章も含め、そのようなことをあらかじめインプットしながら聴けば、割とシンプルに理解は進む。ヴァイオリンのためのコンチェルトとしてはこういった方針での作品は成功したように思える。オーケストラは繊細だったり大胆だったりするけれども、ここでは、伴奏という枠にきっちりおさまっているような全体感でしたね。
もう一度聴いてみたくなる。佳作、佳演。兄妹息の合ったところを、よく魅せてくれました。
おわり

サントリーサマーフェスティバル2018