河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2259- メシアン、矢代、シュミット、小菅、秋山、東響

2017-01-14 21:23:06 | コンサート

2017年1月14日(土) 6:00pm サントリー

メシアン 忘れられた捧げもの  11′

矢代秋雄 ピアノ協奏曲  13′8′7′
 ピアノ、小菅優
(encore)
メシアン 前奏曲集から 鳩   2′

Int

フローラン・シュミット バレエ音楽 サロメの悲劇  9+4′、15′

秋山和慶 指揮 東京交響楽団


眠気の正月モードなど別世界の出来事のような結構すごいプログラムと演奏でした。

矢代のピアノコンチェルトは古くて新しい。
小菅さんのピアノ、昨年聴いたベトソナ選集のリサイタル、それにリンドベルイのコンチェルト第2番、ともに圧倒的快演。矢代の作品はそれらを綯い交ぜにしたような自由で高濃度、それに技のポテンシャルも高いベートーヴェンを感じさせてくれる。小菅さんが聴かせてくれましたね、難解極まるような指使いのように見えますが、技術的な余裕が先か心の余裕が先か、両方ですね。こんな感じだから先を見越しての余裕のプレイ、ヘヴィーで渋いコンチェルトものともせずの唖然とする美演でした。切れ味鋭くど真ん中全身の演奏ですね。毎度のことながらうなるしかない。
小菅さんのピアノはベトソナに良くマッチしている。様式が肌に合うのか、作品のスタイルがよくフィットしているのか、ややドライで冷静な目を感じる。矢代作品も同じような方針で進める。この作品の10年以上前に書かれたシンフォニーのガチガチ形式感からそうとうに進んだコンチェルトで自由さが存分に出ている曲想がちりばめられており、小菅さんの正確な筆の運びで硬派な自由さ加減が良く表現されておりました。特に中間楽章のぶれない雄弁なハ音、正確ですね。ここではやや柔らかい表現が見られたのが印象的。素敵でした。終楽章の咆哮はピアノ、それに伴奏のオケともに圧倒的にクリアな音さばき、ものすごい立体感。亀の甲羅のような矢代音楽が姿を現しました。出色の演奏。

1曲目のメシアンは若い作品、特に強奏部分でのはじけ具合は、まぁ、後でなら決してしないような過去からのエコーが垣間見えるような具合で、ここは眼を閉じて聴く。
厚くて透明、クリアなストリング、オケの響きが魅惑的。

後半プロ、シュミットのサロメは大編成オケ用に編曲された5ピース版。吹奏楽的な響きが独特。全日本吹コンのど真ん中で聴いているような圧倒的パワー、フルパワーでそそり立つオケ技量に唖然。しなやかでウエット、ふくよかな弦も魅力的。まぁ、派手にのたうち回るサロメといったところか。

秋山さんは立体感のあるオケサウンドを割と素朴な振りで出したコクのあるフレーバー風味。意欲的なプログラム、納得の演奏でした。
おわり