河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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1464- フィンランディア、シベリウス3番、1番、尾高忠明、札幌交響楽団2013.3.5

2013-03-07 01:01:00 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2012-2013シーズン
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2013年3月5日(火)7:00pm
サントリーホール
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シベリウス  フィンランディア
シベリウス  交響曲第3番
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シベリウス  交響曲第1番
(アンコール)
エルガー  弦楽セレナーデ 第2楽章
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尾高忠明 指揮 札幌交響楽団
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このオーケストラはお初で聴きました。東京一発公演。一階席から見渡すと客入りは85パーセントぐらい。おひとり声高で長めのブラボーを都度連発。これ以外にも通常のブラボーもありましたのでなんとなく賑やかでいい感じの演奏会でした。
アンコールも入れて4曲の演奏会。最初のフィンランディアの充実した響きと演奏内容が光ります。
まず、在京のオケとは明らかに違う弦の響き。透明で、太くて、張りがある。一音一音確信をもって力強く弾いている。横広の響きが心地よい。本拠地での響きを違うホールでもそのまま出せるというプレイヤーの耳。練習の積み重ねだろう。弦の合奏を聴いたという実感と手ごたえがありました。
この太くて清らかな弦の響きが、ウィンド、ブラスのダイレクトなむき出し音をある程度遮蔽する。いわゆる、金管で消されることの無い弦の響き。
唯一ティンパニがうるさすぎて潰れていたのはすわった席のせいだったのかも(1階中央横断通路すぐ後ろ、右よりの席)。ティンパニについては最後まで気になりました。締まった音ではなくて割れたような、ふやけたような音で。
フィンランディアは指揮者の解釈は横に置くとしても、その充実した響き、切れば弾けて滴り落ちそうな響き。それはストックホルム・フィルに似ている。昔、名をはせたエーテボリのようにも感じるが、あの柔らかさというよりやっぱりストックホルムに近い。
ウィンドとブラスが今ひとつ抜けきらないように聴こえるのは、例えば、フィンランド放送響の鳴りとよく似ているかもしれない。ブラスは横に広がらないで昔のロシアのオケみたいに、もっと近くにかたまれば馬力があって、さらに清涼な響きになると思った。
金管、木管が抜けきらないのは、息の保持が譜面通りだからのような気がする。それでいいのだろうが、全音符ならその4拍目は既に余裕で歌っているような状態がのぞまれる。
お初で聴くオーケストラのサウンド、1曲目のフィンランディアで力量とか充実度、これまでの積み重ねのようなものがよくわかりました。
曲の解釈自体は、主題転換のところでタメがなく通過。もうちょっと潤いとか音楽の機微、憂いといったあたりを味わいたいものだ。エルガーだけでなく。
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前半メインの3番はフィンランディアのモードが継続しており、引き締まっていた。気力の持続もあると思う。
先急ぎ指揮で特に第3楽章など流れていくかなと思いきや、縦に彫る。横に流れて欲しかった。響きは素晴らしいが、指揮が縦方向の進行で、第1楽章の冒頭のつまずきのようなフレーズがそのままそこかしこにある感じ。シベリウスの指揮解釈としては自分のもっているイメージとかなりかけ離れていた。経過句への気配りがいると思います。
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後半の1番は全体に埃っぽくなってしまいました、またティンパニのうるささもかなりの濃度。オーケストラの気力の持続は前半どまりだったのか。
前半からの感じでは清涼感のある1番を聴けるかと思いましたが、音量増量で少しボテ系サウンド。
なんというか、台形全体を想像させるような底辺だけのフレーズ。かなり抽象的ですが、そのようななくてはならない底辺、引き締まった響きと縁取り感覚。そうではなかった。
それから、冒頭クラリネットのソロから始まり、シベリウス特有の弦の刻みがいきなりこの第1番の第1楽章に既に根をはっているわけですけれども、ここへの導入も、スゥーと入ってしまっていて先急ぎ感を感じる。あっさりしすぎ。
フレーズや経過句の扱いをもっと大事にしてほしい。そうすると、シベリウスのいわゆるモザイク的な組み立てをもっと面白く聴けると思う。節目が無いのでモザイクたちの陳列止まり。
演奏の方は、パッセージの音符が抜けているような個所が散見(散聴)されました。ブラスと弦。
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アンコールの前に指揮者がマイクでいろいろと。CDの宣伝とかも。
エルガーのアンコールは弦の響きと呼吸が美しい名演奏でした。

指揮者への足踏みはやめた方がいいと思います。お得意様の顧客を前にして、社員全員が自社の社長を褒め称えているようで。
学生オケが霊感を与えてくれた指揮者に足で礼をいうのとはちがう。もっとも、カーネギーホールでのネゼ・セガン&フィラデルフィア管でも同じ現象が起きたらしい。
A Foot-Stomping Night at Carnegie Hall ヤニック・ネゼ・セガン、フィラデルフィア管、カーネギー・ホール公演2013.1.17
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この日、一番気持ちよかったのはコンミスがほぼ真っ先に大股で席に着く。なんか北海道的で良かった。
在京のオケのように、団員、次にコンマス、そして指揮者。日本の聴衆は18:50には自席で息を整えているので、このようなグダグダ格式はいらないんです。
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写真は、帰り際に外でいただいたものです。ありがとうございました。

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