ベルリン・フィルハーモニカーは2009年からオーケストラ・コンサートを高画質カメラ収録で配信を開始したようだ。
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レコ芸2月号の紹介では全てのシンフォニー・コンサートと書いてあるが、実際には月4回程度のようなので、全プログラムということなのだろう。
他のオーケストラでも同じようなことはしている。
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こんなこと、意味の無いことである。
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全部あるというのは何も無きに等しい。
こんな長物は、インターネットの没落とともにいずれ消えてなくなるだろう。
インターネットは情報の全てではない。
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祇園精舎の鐘の音
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはす
驕れる者久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
猛き人も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
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ぎおんしょうじゃのかねのおと
しょぎょうむじょうのひびきあり
しゃらそうじゅのはなのいろ
じょうじゃひっすいのことわりをあらわす
おごれるものひさしからず
ただはるのよのゆめのごとし
たけきひともついにはほろびぬ
ひとえにかぜのまえのちりにおなじ
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はたして地の果てで水洗式トイレを使える‘文化の平板化’は人間のもとめるものなのか。
ベルリン・フィルは消えなくてもインターネットはいずれ消える。
全てのコンサートを配信するなんて、何も無きに等しい。
いずれ誰も見なくなるだろう。
情報の垂れ流しここに極まれり。
唯一の救いは有料ということか。
有料であれば皮肉なことに無料より長続きはするであろう。
不思議な人間の心情。
おわり