「第12章 ギリシア語における自然科学的概念の形成」。その一因(それも大いなる)として、著者は、ギリシア語においては早くから定冠詞が発達していた事実を挙げる。定冠詞のおかげで「~というもの」「~であること」という、事物の総称化・抽象概念化が可能になったことに由ると。ラテン語はその方面の発達が遅れ、キケロはギリシア語の総称・抽象名詞をラテン語に翻訳するのに苦労していると指摘している。
であるならばなぜギリシア語に定冠詞は出現したのであろうか。
(創文社 1975年2月)
であるならばなぜギリシア語に定冠詞は出現したのであろうか。
(創文社 1975年2月)