書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

二松啓紀 『裂かれた大地 京都満州開拓民 記録なき歴史』

2005年12月27日 | 日本史
「あとがき」から。

“本書で扱った満州開拓団は、一九三二(昭和七)年十月の第一次武装移民から終戦にいたるまで、全国の都道府県から三十二万人が中国大陸に渡ったとされる” (本書229頁)

“京都市が一九四五年三月に編成した平安開拓団は、「第十四次」となる。当然ながら終戦以降に開拓団は存在しないため、昭和最後の満州開拓団となる” (本書229頁)

“調べてみると、戦時中に書かれた京都新聞の小さな記事を除き、一切の公式記録が存在しなかった。正史に一行の記述もなく、歴史関係者からも黙殺されていた” (本書228頁)

 移民となった当事者の証言を含めて、まとまった資料がこの本の中にしかないことは、堀川惠子/小笠原伸之『チンチン電車と女学生 1945年8月6日・ヒロシマ』(日本評論社 2005年7月)と同じ。

(京都新聞出版センター 2005年7月)

▲「Sankei Web」2005年12月27日、「扶桑社教科書の不採択運動 中核派、深く関与」
 →http://www.sankei.co.jp/news/051227/sha024.htm

 やはり。それで思い当る節がいろいろある。「自分たちは正義だから悪の不採択派に対して脅迫でも暴力的妨害行動でも何をしても構わない」とでも形容すべき、御都合主義を通り越した狂信の匂いが一部不採択派の言動にぷんぷんしていたのはそのせいか等。