書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

ジョン・ダワー著 三浦陽一/高杉忠明/田代泰子訳 『敗北を抱きしめて』 上下

2005年12月26日 | 日本史
 著者の目配りの広さと、該博な日本知識と、この大部で緻密な構成の占領期日本の全体史を、最後まで叙述に些かの気の弛みも見せず書ききった気力には、敬服のほかない。米国にはすごい日本学者がいる。だが、日本人の私がこの傑作を読んでいて、およそ絶えず隔靴掻痒や的はずれのもどかしさと、時に吐き気がするほどの違和感に見舞われたことも、また事実である。

(岩波書店 2002年2月第14刷・2001年10月第9刷)

▲「asahi. com」2005年12月25日、「中国・韓国への親近感、急降下 内閣府世論調査」
 →http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY200512240346.html

“他国と仲良くするのも外交だが、距離をとる判断をするのも外交である” 
  (屋山太郎「【正論】中国の『東アジア共同体策謀』に乗るな」、「産経新聞」2005年12月22日)

 これは一般の日本人が両国人と付き合う際にも通用する考え方だろう。ただしこれは、嫌いでもいいが無関心ではあってはならないという前提がついている。少なくとも私の場合。

▲「asahi. com」2005年11月18日、「めぐみさんと家族の13年、18日から写真展 東京」
 →http://www.asahi.com/special/abductees/TKY200511170455.html
 「asahi. com」2005年12月22日、「家族会『北朝鮮に制裁発動を』 タイ人被害者家族も訴え」
 →http://www.asahi.com/special/abductees/TKY200512220824.html
 「Sankei Web」2005年12月25日、「『拉致解決につながるのか』 並行協議、家族から疑問」
 →http://www.sankei.co.jp/news/051225/sha045.htm

 ところで拉致被害者の家族が「家族を返せ」と訴えるのも“北朝鮮バッシング”ですか、姜尚中さん。