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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

カントの『永遠平和のために』を日本語版とこのたびふと英語版で読み比べてみたら・・

2018年01月07日 | 社会科学
 カントの『永遠平和のために』を日本語版とこのたびふと英語版で読み比べてみたら、かなりの懸隔を認めた。私にとっては後者のほうが文意を理解しやすい。たとえば「支配の形式」よりもthe form of sovereignty、「統治の方式」よりも(これはまだそれと分かりやすいが)、the form of governmentといったふうであるので。
 ロシア語版や漢語版では、どうなのだろう。

佐伯富 『中国塩政史の研究』

2018年01月07日 | 東洋史
 出版社による紹介

 「はしがき」のあと、「緒論」と「第五章 結論」とを読んだ。「という」「思われる」「想像に難くない」と記したあとで、それを足がかりにさらなる記述が続いていく本体は、discourseというよりもnarrativeと謂うにふさわしい。簡単に言えば部分的に実証的であるが、そのあいだを繋ぐ部分はあまり論理的ではない。個別の考証の“物語”による再編という感すらする。

 ところで、佐伯先生といえば藤井宏先生だが、同先生が奉職しておられた北海道大学の正史『北大百年史』では「第一次藤井教授事件」「第二次藤井教授事件」という呼び方がある由。
 とすると、佐伯先生との事件は「第三次~」と名づくべきものであるのか。それまでに表沙汰になっていない×次があるかもしれないが。

(法律文化社 1987年9月)

山本七平 『日本的革命の哲学』

2018年01月07日 | 
 『貞永式目』が一書のテーマを構成する重要要素としてあげられているので読んでみたが、私の視角とはあまり関係がなかった。私は此処にべつに革命思想を見出そうとしているわけではない。北条泰時や『式目』と明恵の思惟との関わりもよく分らない。

(PHP文庫版 1992年4月)