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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

文心雕龍 : 卷十 : 才略 - 中國哲學書電子化計劃

2016年12月06日 | 東洋史
 http://ctext.org/wenxin-diaolong/cai-lve/zh

 「才略」(文中では「才」)、すなわち詩文の才能とは何かが、最後までわからない。説明されないからだ。優れた作品の優れた(と筆者の判断する)所以を述べても、それは作品の作者のもつ「才」のもたらした結果であって、「才」そのものの属性ではない。

文心雕龍 : 卷二 : 銓賦 - 中國哲學書電子化計劃

2016年12月06日 | 東洋史
 http://ctext.org/wenxin-diaolong/quan-fu/zh

 賦者,鋪也,鋪采攡文,體物寫志也。

 とあって、つい笑ってしまった。「賦とは鋪(なら)ぶる也」とはよく言ったものである。彩(あや)を鋪べ文(ぶん)を攡(つら)ね、物を体(かたど)り志を写す也。
 つまりそれは理屈を述べるためのものではないといっているのである。この世の事物(おもに物だが)を描写し、おのれの感慨を陳べるものであると。それは、モノとココロのひたすらの羅列といってもいいかもしれない。そこでは叙述が秩序だっていることすら理屈のはからいだとして必要とされないのではないか。現実の作品を見ているとどうもそう思えてならない。この“理屈”がどういうものであるかは、また別の問題となる。