ギリシア哲学に対比していえは,宇宙論 cosmology=形而上学 metaphysics でなく,宇宙生成論 cosmogony=形而上学が,中国では成立したのだった。〔中略〕古代の形而上学は,易の繋辞伝に集約的に表現されている。そして,宋の形而上学はそれを根幹として形成されたのであった。 (山田慶児「宋の自然哲学――宋学におけるその位置について――」本書40頁)
ニーダムも『中国の科学と文明』で同様のことを記している。「(中国の哲学は)機械的というよりは有機的」と、言葉は違っているが。たとえば第7巻「第26章 物理学」の「序論」。
(京都大学人文科学研究所 1967年3月)