くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「吹奏楽部あるある」

2017-04-26 21:33:37 | 芸術・芸能・スポーツ
 娘が吹奏楽部に入るというので、入部届を書きました。
 幼稚園からピアノを習っているから楽譜も読めるし、お囃子もやっていたので笛が吹けます。本人はフルートを担当したいみたい。でも、10人くらい入るそうなのでどうかな。思う通りの楽器になれなくてがっかりする子をよく見てきたので。まさに、「顧問に丸め込まれ、違う楽器へ飛ばされる」!
 自分も副顧問したことがあるので、この「吹奏楽部あるある」(白夜書房)、おもしろく読みました。
 「兄弟姉妹も吹奏楽部」(ちなみに兄は卓球部です)、「武闘派とまったり派の仁義なき戦いが勃発」(コンクール金賞を本気で狙うグループと日々の楽しさを追及するグループの食い違い)、「天然パーマの男子部員のあだ名は『バッハ』」、「なぜ顧問が怒っているのか理解できないことがある」、「コンクールでどの賞をとっても女子が泣く」等々……。
 イラストが可愛らしいし字も読みやすい。「鉄子の旅」の菊池直恵さんなんですね。
 「(ホルンを)『福山雅治と堺雅人がやってた』と言うと、まわりの見る目が変わる」というのも味がありますね。
 うちの妹もホルンやっていました。時々吹きたい気持ちになるみたいです。
 さて、娘はどの楽器になるのでしょうね。

「花魁さんと書道ガール」瀬那和章

2017-04-26 05:54:45 | 文芸・エンターテイメント
 図書館の新着図書コーナーで見つけました。瀬那和章「花魁さんと書道ガール」(創元推理文庫)全二冊です。
 「私」こと花沢多摩子は、白城大学教育学部の一年生。この大学を選んだのは、書道科があるから。人付き合いが苦手で、書にしか興味のない多摩子は、大学祭で焼きそば作りを担当すると、誰にも気づいてもらえないまま二日間ヘラを握って作り続けてしまうような女の子。しかも、せっかく部長が差し入れてくれたクレープを意図せずして断ってしまう要領の悪さ。
 憧れの遊宇くんと話すときには、緊張して体育会みたいな喋りになってしまいます。
 そんな彼女の親友は、やたらと顔の広い「林檎」と不機嫌な優等生風の「学」(愛称はガク)の双子。
 一緒に暮らすおばあちゃんが入院することになり、荷物をまとめているときに、しまい込まれた簪を発見します。
 ところが、その簪には花魁の幽霊が関わっており、なんと多摩子に取り憑くというのです!
 この花魁が「春風さん」。粋で気っ風がよく、恋に生きる女といえましょう。女子会で相談に乗ったことをきっかけに、恋愛カウンセラーとして学内で引っ張りだこになっていきます。

 わたしは、部長の恋を描く「アトリエはもういらない」が好きですね。
 部室棟の裏の森にあるガレージを整理して、美術部の凪子と共同でアトリエにしています。
 凪子は一緒に過ごすうちに彼のことを想うようになったのですが……。
 また、遊宇への気持ちは「恋」ではなく「憧れ」だったことを自覚。
 ガクとの関わりも変化してきて。
 
 「憧れ」を「恋」と間違えてしまうことや、実らない「恋」を引きずらないためには恥をかいて忘れる方がいいという春風さんの考え方が斬新でした。
 書道への多摩子の情熱も。
 二冊一気に借りてきて正解だったと思います。