くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「国語が子どもをダメにする」福島隆史

2013-09-22 09:14:07 | 社会科学・教育
 国語教師としては、読まねばなりますまい。
 と思って、かなり以前に買ったんですが、後半になったところでストップしていました。だって、同じ主張は何度も読みましたもん。わたしは結局のところ、けなし批評が好きなのかも。
 福島隆史「国語が子どもをダメにする」(中公新書ラクレ)です。国語の授業に関して、子ども任せにしていることを「支援」と言い、彼らから考えを引き出していると悦に入る教師が少なくないことを語ります。
 槍玉にあげられているのは、朝日新聞に紹介されたある付属小学校の先生です。これを読んだあとにその記事をまとめた本も読んだのですが、もう福島先生の視点でしか読めませんでした。
 自分なりの読み方をしたかったから、子どもたちにも「それぞれの読解方法を見つけてほしい」と、思っておられるのだとか。教材をどう扱うかを子どもたちに投げかけて、「みっけカードを集めたい」「なぞをもっと解明したい」と答えたらそれをやらせるんですって。
 いやいやいやいや、そんなこと自分でできる小学生(二年生!)おかしいんですって。というよりも、自分なりの読み方を習得するには、考えが対立する意見が必要ではないですか?
 自分なりの読み方を各自がすることは、別に授業でなくてもいいということでしょうか。授業って、お互いの考えを磨き合うものだと思うんです。その中で意見を深めていく。
 福島先生はこの方の指導は、おそらくノートには反映していないと考えています。プリントとか模造紙が好きな教師は、ノート指導がおろそかになりがち。そうですね。ワークシートは良し悪しだと思います。ノートが、構造的に作れるようでないと、やっぱり厳しいですね。
 とはいえ、わたくし、先日の研修会で自分の勉強不足をこてんぱんにやられまして。そのときも、実はプリントでした。付箋紙を使ったりグループワークの流れをつけたものなんですが。もともと予定していなかったことを無理にこじつけるのは、やっぱりダメですね。
 手法を教えて、やらせる。それが肝心です。で、福島先生のいつもの「三つの力」に集約していきます。
 わたし自身は、国語には様々なアプローチがあっていいと思います。俳句や書道が得意な先生もいることですし。でも、その中でやっぱり技術を教えていくことが必要ですよね。
 うーん、自分の教え方について考えさせられます。
 現在、国語科で主流になりつつあるのは、「単元構想」ですかね。自分ではまじめに取り組んでいるつもりですが、わたしも傍目から見るとダメダメでしょうか。