くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「猫弁」大山淳子

2013-09-01 20:47:40 | 文芸・エンターテイメント
 大山淳子さんの児童書が気になるのですが、なんだかんだで読んでいない。それなら、試しに「猫弁」を、と思いまして。
 読んでしまいましたよ。指導案も半分なのに。ラストのカチッとはまる感じを描きたかったんだろうな、と感じました。「猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち 完全版」(講談社)。
 「猫弁」は大山さんのデビュー作で、ドラマ原作大賞に輝いた作品。その意図通り、非常にビジュアルが浮かぶ構成です。配役は知りませんけど、その場面が見える感じなんですよね。
 百瀬太郎、三十九歳。婚活中。弁護士として事務所を構えていますが、持ち込まれる依頼のほとんどが猫に関するもの。というのも、かつて猫屋敷といわれて苦情だらけだった場所を手がけて無事に解決した手際のよさから、だんだん猫専門だと思われるようになったから。事務所のドアに「猫弁」と貼り紙されたり、依頼のあとに猫を押しつけられたりと、困ったことはあるのですが、ひょうひょうと受け流しています。
 そんな彼が、ある日不思議なおばあさんに会って、お見合いが失敗したことや、弁護士バッジをつけずに行ったことなどをずばずばと当てられてしまいます。しかも、片方だけ磨いてもらった靴はピカピカ。なんだか片足だけ新品のようになってしまいました。
 霊柩車が盗まれたとか、ペット不可のマンションでこのまま猫を飼い続けたいとか、妙な依頼はどこかでつながっていて、エンディングでは三十連敗だったお見合いの、原因が分かります。
 少し予定調和のような部分もありますが、テレビドラマを意図しているなら、このくらいわかりやすい方がいいのかもしれません。続編に登場する女性は大福さんなんですよね? わたしはカスヤナガトさんのイラストでチェックしていたので、イメージが違うような気もしていましたが……。
 お母さんの件や達筆の落書きなど、まだ隠されていることも多いので、続編楽しみです。でも、明日は図書館休みで、借りには行けないんだよね……。