くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ライオンの棲む街」東川篤哉

2013-09-16 10:30:22 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 東川さんの新刊「ライオンの棲む街 平塚おんな探偵の事件簿1」(祥伝社)を借りました。例の魔女っ子シリーズは一話読んで挫折したんですが、こっちは楽しかった。
 自称美人(でも、周囲からは地味と判定されているような……)川島美伽が、高校時代の友人生野エルザを訪ねるところから始まります。
 エルザは寂れたビルで探偵として活動中。警察からも一目置かれている(?)名探偵です。
 その助手(美伽の認識では「猛獣使い」)として働き始めてからのことが綴られています。
 なんといっても破天荒ながら的確な推理と悪を恐れぬ強さが魅力なんですが、東川さんですからね、スタンダードな探偵ものにはなりません。
 エルザと美伽のツッコミやら地元平塚の風物やら、おんな探偵というイメージからはちょっと遠いような小道具やら(愛用しているのは、木刀、スーパーカブ、シトロエンですから)。
 中でも「日本三大七夕」のうんちくは笑っちゃいました。仙台七夕、湘南ひらつか七夕まつり、もうひとつは調査中。ふふふ……。この夏十何年かぶりに仙台七夕に行った(といっても研修の日程が重なって近くを通っただけですが)わたしにはイメージがしやすいという か。
 あ、「紅」のポテトサラダと焼きうどんもおいしそうです。
 占い師をモチーフにした「不在証明は鏡の中」がおもしろかった。何かに魅入られるように夢中になってしまうのは、やがて事件を呼んでしまうように思います。
 さて、わたしは半年ぶりに実家に来ております。三浦浩子「蒼い旋風」読みました。いつ読んでも泣いてしまう。それから、「はいからさんが通る」も一気に読み返しました。ほこりをかぶっていて、ちょっと拭いてみたんですが、こういう本はやっぱり所有者しか読まないですよね。なにしろ、小学生の頃に買ったんだもの。今後も大事にしておきたいと思います。