くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「日本人の知らない日本語」蛇蔵&海野凪子

2009-06-10 05:07:03 | 言語
さて、問題です。
「次の文と会話として成り立つ答えの文を、それぞれ①~④から選びなさい。
田中部長、地方の支店に左遷されるんだって。
①部長はサラリーマンの鏡ですね。
②それはおめでたいですね。パーティーをしなくては。
③会社のために一生懸命働きましたからね。
④あんなところにとばされるんだったら、いっそやめた方がいいですね。」
あーのー、それ、正解はないですよね?

外国で使われている日本語会話の教科書から抜粋したものだそうです。その本についている解答では、④が正解となっているそうな……。

蛇蔵&海野凪子「日本人の知らない日本語」(メディアファクトリー)がおもしろいです。わたしの興味関心どまんなか。様々な日本語について、それを学ぶ外国人の皆さんの質問から考えてみるという画期的なまんがです。
凪子さんは日本語教師をしていて、日々生徒の皆さんから思いもかけなかった「日本語」についての質問をされます。
「醤油を入れる四角くて仕切りのある皿の名前が知りたいです」
「『さしつかえなければ』と『おそれいりますが』の使い分けを教えて下さい」
「『お』と『を』は同じ発音ですか」
すごい。こんな質問、とてもわたしには答えられません!
和製英語、かな、カタカナ語問題、バイト敬語など、そうそうそうそう! と同感しながら読みました。
この本が繰り返していうように、「日本語を学ぶ外国人」の方が、正しい日本語を意識しているかもしれませんね。

時代劇を愛するスウェーデン人のエレーンさんや、まじめな中国人趙さんという個性的な生徒たちがまた楽しいです。

外国における日本語という「存在」が気になって、柳沢有紀夫「日本語でどづぞ」(日経文庫)を買ってみました。
オーストラリアで発見された看板が命名の由来とか。世界中で同様の「日本語」表記がないかどうかを呼びかけたものだそうです。
すごい。「グリーソティークリスツプ」「ホットケーも」等々、エピソード満載です。わたしはわりと人まえでも冷静に読めるのですが、爆笑してしまって駄目だから一人で読みたいという人も少なくないと思います。
この本、以前にもコンビニでみかけて手に取ったのですが、そのときはそれほど興味を感じなかったので買わなかったのです。読むタイミングって大事だなあ。