くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「だめんず・うぉーかー」倉田真由美

2009-04-15 05:21:25 | コミック
わたし、わかりました。「ムショ医」に出てくる上野さん、自分をシャブ中にした男に対して語り、医師粂川晶を愕然とさせますが、なんだか釈然としなかったのです。だって、だってさぁー。
半年くらい前、薬物依存だった体験談(講演)を聞いたので、なんら「特別」なことではなく、日常のどこかにぽっかり穴があいていることもある、とは感じていたのですが。
でも、上野さんの行動はこれでいいの? どこかで引き返すべきだったのでは?
で、「だめんず・うぉーかー」15を読みました。そしたら、上野さんと似たような娘がいるんだわー。借金があるという彼のためにお金を作り、そろそろ返してほしいと言ったところ、「オレは将来お前に楽させてやるために頑張っているのに、その言い草はなんだー!」
と、殴られる。
わたし、このまんがにものすごくはまったことがあって、単行本を何回読み返したかわからないほどなんですが、こういう男にひっかかってしまう女のコって、類型があるように思うのです。今回登場しているコたちもそうだし、上野さんもまさしくその通り。
なによりも、筆者倉田真由美が、初期に比べると男を見る目が高度になってくるのがわかるのです。
最近はナンパの手口ネタが多くて、女のコの体験談が聞きたいわたしとしてはひじょーに残念。
でもやっぱり好きなんでしょうね。本屋のカートに入っていてまだシュリンクもかけていないのに、買ってきましたよー。
倉田真由美というフィルターは、この作品ではかなりいいはたらきをしていると思います。同じ話を聞いても、同じようにはならないと思うのですよね。さらりと、でも的確に描いている。なんというか、知り合いに打ち明け話をしているのを、こっちが脇で聞いているような感じなんです。
はまったときは、結構倉田の著作を読んだのですが、ほかの作風は好きになれませんでした。「だめんず」は、ほかにない強力な磁場を持っている作品だと思っています。