くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「子育てしない男には女のスゴさがわからない」山脇由貴子

2009-02-26 05:53:21 | 社会科学・教育
「教室の悪魔」「モンスターペアレントの真実」の山脇由貴子さんが書いた「子育てしない男には女のスゴさがわからない」(ポプラ社)を読みました。
山脇さんのストレートな考えが出ている本だと思います。
冒頭、子育てに悩んでいる母親の負担を少しでも軽くしたいと、彼女の夫の会社に電話をする様子が紹介されます。しかし、全く聞く耳を持たず電話は切られてしまうのです。
旦那さんが少しでも協力的になれば、家族のありかたは変わる。山脇さんは、様々な事例を通して、子供たちの現状や母親たちの苦悩を紹介します。それはなんら特別な問題ではなく、わたしたちにとってありうべきことなのかもしれません。
上手な叱り方がどういうものかも書かれています。
① なぜ叱っているのか、その理由をはっきりさせる。
② 感情的にどなったり、叩いたりしない。
③ 気持ちを理解してあげる。
④ 「おしまい」を作る。
⑤ 「おしまい」のあとは愛情表現。
うーん、怒っているときは冷静に話しているつもりでも、感情的になっているものですよね。叱るのって難しいです。
あと、成程と思ったのは、幼児期の子供は「自分はなんでもできる」という気持ちを持っていますが、これは親の力によるところが大きいのですって。だから、「できる自分」でいるためには、外の世界の軋轢が邪魔なわけ。なんでもやってくれる親がいないと、何もできないのです。当然、自立なんてできません。
自立できない自分は、親によって「支配」されていたのだと思った子供が、今度は腕力によって親を支配しようとする。家庭内暴力や引きこもりにつながることも少なくないそうです。
そして、最後に語られるのは対人関係にはパターンがあるということ。殴る男と付き合っている友達をやっと別れさせたのに、しばらくして彼女が付き合うのは、またしても殴る男。
考えさせられます。
カウンセラーとして、たくさんの家庭の問題を見つめてきた山脇さん。言いたいこと、伝えたいことはほかにもたくさんあると思うのです。
この本は、近著と比べると「講演」の要素が強いように感じました。
わたしの同僚は彼女の講演会に行ったことがあるのですが、話したいことがありすぎて、早口になってしまいがちなのでは、と言っていました。
「モンスター」は、ちょっと読んだのですが、返却期日がきて返してしまったので、またいつか借りようと思います。