魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

クロヤハズハゼのその後

2022年06月20日 21時15分46秒 | 魚介類飼育(海水)

スズメダイからの攻撃を受けてぼろぼろにされたクロヤハズハゼさん。今日はこんな感じ。体表の傷はだいぶ良くなってきた。よかった。

これが6月9日の写真。体表が白くなっていて、本当に痛々しいものであったが、なんとかトップ写真の状態まで回復してくれたので一安心。幸いにも餌はよく食べてくれていて、そのおかげで早く回復したのかもしれない。

ただし第2背鰭はまだこのような状況。回復への道のりは長いようである。この水槽ではスズメダイが数種入っている。水槽はサイズが大きく、ほかの魚もいるのでスズメダイ類もおとなしくせざるを得ないし、サンゴ岩などによりハゼが隠れることもできる。しかし、小さなバケツのようなスペースだとハゼが傷ついてしまう危険もあるので、水かえのときなどは注意が必要。

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ブチブダイ

2022年06月19日 12時09分55秒 | 魚紹介

2日連続でブダイ科の魚。今日はブチブダイ。

ブチブダイはブダイ科・アオブダイ属の魚である。市場に並んでいるものは全身が黒っぽく、あまり特徴がないが、釣りあげられた直後の個体は、赤紫色で美しい色彩をしている。水中写真においても、紺色でとても美しい魚なので、市場で購入した個体をアップするのがちょっとかわいそうに思える。

ブチブダイの特徴は鰓蓋上方の黄緑色斑である。これは雌雄共通してみられる。そのため、雌が同じように見えるものも多いブダイの仲間としては珍しい独自性である。このおかげで、同定は幾分楽である。ただし写真では目立たない。一応矢印で示している。幼魚は体側から腹部に白い斑点が多数あり、ニシキブダイなどにも近いように思える。しかし本種では尾柄上・下方にそれぞれひとつの黒色斑があるので見分けることができる。幼魚は高知県で見たときには、アミメブダイやニシキブダイ、ヒブダイなどと群れをつくり、岩についていた藻類を捕食していた。分布域は国内では伊豆半島以南、伊豆諸島、琉球列島、小笠原諸島、インドー太平洋域(ただしハワイ諸島などには生息しない)。また国内での分布は先述の通りだが、成魚が見られるのは屋久島以南であろう。

ブチブダイはインド—太平洋域(紅海を含む)に分布している、とされ、その学名はいずれもScarus nigerとなっている。しかし、その色彩はインド洋-紅海のもの(インド洋-紅海型)と、太平洋のもの(太平洋型)ではだいぶ異なる。雌ではその差が顕著で、インド洋-紅海型の雌は大きく異なる。インド洋から紅海に生息している雌は鱗一つ一つに明瞭な線状模様があることが多く、それはナガブダイを思わせる。一方、太平洋の雌には細かい黒い斑点模様が入ることが多い。ただし、インド洋-紅海型にも点状のものがいるが、概ねインド洋-紅海型のほうが鮮やかな色彩をしている。なお、両方の種が別種とされた場合、Scarus nigerの学名は、太平洋型の個体としては不適当である。これはScarus nigerのタイプ標本は紅海産のものであり、インド洋-紅海型のものに充てられるべきのように思われる。太平洋型にどの学名をあてるべきかは不明であるが、いくつかScarus nigerとされ、のちにシノニムとされたもののタイプを調べる必要がある(Scarus nuchipunctatusかもしれない)。

ブダイの仲間は突き漁、追い込み網などで漁獲され、食用となっている。本種も同様だが、市場ではほかの小型種とあまり区別されていないようだ。全長30cmほどで、比較的小型の種類である。

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ハゲブダイ

2022年06月18日 12時42分08秒 | 魚紹介

以前沖縄で購入した魚のご紹介。スズキ目・ブダイ科・ハゲブダイ属のハゲブダイ。これは雄型で緑色の体が特徴である。この個体の体側には大きな黄色斑があるのだが、本種の場合色彩の変異が激しい。雌も同様で、尾柄に黒色斑がある個体が多いが、そのような模様を持っていない個体も多い。ただし黒色点がない場合は白い点が数個あるため見分けられる、という。幼魚もほかのブダイ同様しましまで、同定が非常に難しいというか、困難である。

ハゲブダイの腹部の特徴はいくつかあるが、一つ目の特徴は腹部に2本前後、細い線が入ることである。これによってシジュウカラなどと見分けることができる。

ハゲブダイ雄の頭部。頭部には眼の前方に両眼をつなぐピンク色の線があるとされるが、この個体では不明瞭である。また、眼の後方には1~2本の短い線が入るのも特徴である。オオモンハゲブダイの雄にみられるような眼後方から伸びるオレンジ色の模様はない。ただし、オオモンハゲブダイの雄にもごくまれにこのオレンジ色の模様を持たないものがいるようである。

日本では駿河湾以南の太平洋岸に分布しているが、本州~九州で見られるのはほぼ幼魚のみであり、死滅回遊魚とされる。成魚が見られるのは屋久島以南のよう。海外ではインドー太平洋域にいるが、インド洋での分布は極東部に限られる。一方ハワイ諸島に分布しており、日本とハワイ両方に分布している唯一のハゲブダイ属魚類である。ハワイにはほかにスペクタクルドパロットフィッシュというハゲブダイ属魚類が知られているが、この種の吻、眼の前には独特の斑紋がありオニハゲブダイにも似ている。なお、従来ハゲブダイの学名はChlorurus sordidusとされていた。しかしこれはインド洋や紅海に生息する種とされている。日本を含む西太平洋産のものはChlorurus spilurusという学名を使うのが正しいようだ。

ハゲブダイは食用魚で、青い色彩が鮮やかな本種の雄は那覇の公設市場ではよく見られる種である。しかし大きさは30cmほどと比較的小型。より大きくなるナンヨウブダイのほうが鮮魚店などではよく見られるようだ。なお八重山諸島ではChlorurus capistratoidesという種類も水揚げされたことがあるがまだ標準和名はついていないようである。

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ヒライソガニ

2022年06月17日 21時36分14秒 | 甲殻類(昆虫等をのぞく)

先月千葉県の潮だまりで採集した小型のカニ。おそらくイワガニ科のヒライソガニと思われる種類。ヒライソガニはイワガニやイソガニに似ているが、その名前の通りで扁平な体をしている。色彩は変異が非常に多く、写真のような色彩から、白黒のまだら模様の個体まで色々と見られた。

上の写真の個体よりは色彩が明瞭な個体。イワガニ科のカニは潮だまりではイソガニ、イワガニなど、本来はもっといろいろ見られるのだが、なぜかここではヒライソガニのみが見られた(このほかにはオウギガニ類などが見られたが、お持ち帰りはしていない)。この個体は持ち帰らなかったが、もう少し小さいのを何個体かお持ち帰りし、クモウツボに与えた。

なおクモウツボを含む、アラシウツボ属の魚はカニの仲間が大好物である。シマアラシウツボの胃の中からもカニが出てきたりする。アラシウツボ属の魚は歯が粒状になっている(いちぶ大型個体では鋭く鋸歯縁をもつものがいる)ものが多く、これもカニをメインに食するための生存戦略だろうか。そのため飼育下でもカニを与えるとよいのだが、オウギガニの仲間は毒化することも多く、餌には適していない。

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タスジイシモチ近況

2022年06月16日 21時43分49秒 | 魚介類飼育(海水)

左の魚はこの間採集してきたタスジイシモチ。最近コンディションがイマイチではあったが、水かえを行い復活。私が来れば水槽の左端に寄って餌をねだるようになった。やはりテンジクダイの仲間は魅力的な魚である。右にいるのはロイヤルグランマ。この魚は2019年の五月の連休中に我が家にやってきたので、もう3年目になる。奥のサンゴはリュウキュウキッカサンゴの近縁種と思われるもので、やはり2019年に我が家にやってきたサンゴ。つまりまだ3年目なのだが、そうと思えないほど大きくなっている。スイーパー触手を出してほかのサンゴを溶かしてしまうので周囲にほかのサンゴを置くことができないのが難点だが、比較的飼育しやすい造礁サンゴである。

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