磯遊びをしていると様々な魚が網に入るが、中には扱いに注意しなければならない魚もいる。このハオコゼはその典型的なものだろう。ハオコゼは背鰭の棘に強い毒があり、涙骨棘にもまた毒があるようで、刺されると激しく痛んだことがある。分類学的にはスズキ目・カサゴ亜目・ハオコゼ科・ハオコゼ属。一見よく似ているフサカサゴ類の小型種や、オニオコゼなどとは別の科の魚となっている。また最近は属の学名もParacentropogonとなったりしている。属標準和名はハオコゼ属で変更ないと思うが、どうだろうか。
このハオコゼは千葉県では一年中みられる。ハオコゼは非常に丈夫な魚であり、冬に行っても、春に行っても、初夏に行っても、夏にいっても、秋に行っても磯で見られた。干潮時に子供が遊ぶような場所でも結構見られたりするが、刺されると本当に痛むので気を付けたい。
しかしながらハオコゼは非常に魅力的な魚である。これは正面から見たもので、眼球が変な形になってしまっているが、きょろきょろと周りを見回すかんじでかわいい。このような魅力的な魚がいたら採集・飼育してみたくなるのだが、餌付けが案外難しい。ほかのアクアリストいわく、配合飼料に餌付かせたりすることもできるようなのだが。色彩はバリエーションが若干あるようで、赤みが強いものやこのように暗い赤色になってしまっているものもいる。生息環境に由来するようだ。浅瀬から水深数10mほどの海底に生息し、底曳網漁業でまとまって漁獲されることもあるようだ。分布域は広く青森県津軽海峡~九州までの各地に生息しているが、琉球列島にはいない。