魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

フィリピン魚2.シロブチハタ

2012年01月24日 19時09分46秒 | 魚紹介

ハタ科のマハタ属のグループはフィリピンでも多数の種が生息しています。

シロブチハタEpinephelus maculatus (Bloch)もフィリピンでは多く漁獲されるようで、市場が本種ばかりのことさえあるそうです。

体側に暗色斑が散らばるハタ科魚類は種類が多く、なかなか同定しにくいのですが、胸鰭に大きな黒色斑があることや体高があること、背鰭や体側背部に淡色域があるのが特徴です。

また、背鰭の第8-11棘の基底部付近に、ほかの黒色斑よりも著しく大きな黒色斑がないことなども特徴です。本種はその付近が淡色になっています。

シロブチハタの幼魚は黒っぽく、大きな白色斑があり、くねくねと泳ぐそうです。日本でも沖縄などでは見られ、ほかのハタ同様に釣りの対象魚となります。

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フィリピン魚1.ナンヨウハギ

2012年01月23日 19時05分39秒 | 魚紹介

今日から、以前の沖底魚シリーズのように、フィリピン魚の紹介を行います。おそらく種類だけでも100を超えるのではないでしょうか。素晴らしく、ありがたいことです。

第1回目は、私が出会いを待ち焦がれた青がきれいなこの魚にします。

ニザダイ科のナンヨウハギParacanthurus hepatus (Linnaeus)です。写真の個体はやや色あせていますが、本当はもっときれいな青なんです。

ニザダイ科魚類にはテングハギ属、ヒレナガハギ属、サザナミハギ属、クロハギ属、ニザダイ属、そしてこのナンヨウハギ属の計6属が、82種が知られています。もっとも種類が多いのがクロハギ属でこれは全体の半分近くにもなります。ナンヨウハギ属は本種1種のみが知られています。

本種はクロハギ属やサザナミハギ属魚種に似ていますが腹鰭の軟条が3軟条と少ないです。水中では腹鰭の軟条数を計測するというのは難しいのですが、体側の独特な模様で簡単に同定できるでしょう。

胸鰭は青色で、大きな黄色域があります。体には小さな鱗があり触るとざらざらしています。

鮮やかな青と黄色という色彩の美しいナンヨウハギですが、美しいものには注意、というのはまさにこのこと、ナンヨウハギには大きな武器があります。

尾柄部には大きな棘があるので注意しないといけません。この棘は可動式で知らずにつかむと痛いことになります。この棘はナンヨウハギ以外にも、クロハギ、ニセカンランハギ、サザナミハギといったニザダイ科の他の魚も有していますので注意しなければなりません。

体色については海域により変異があります。この個体はおなか付近が薄らと黄色いですが、インド洋からくるナンヨウハギの中には鮮やかな黄色の腹部をもった個体も見られます。

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冷凍庫に魚入りません。

2012年01月21日 20時57分15秒 | 魚紹介

鈴鹿さんからいろいろなフィリピン魚をいただきました。今日はその事業・・・ではなく「種類仕分け」を行いました。赤色、青色、黄色、緑色、橙色、茶色など色とりどりの魚、小さいものでは1cmくらいのカザリハゼ稚魚から大きいものはメートルクラスになりそうなウツボ類まで豊富のひとことです。フィリピンではこんな魚が市場(食用魚の市場!)で売られているのです。すごいものです。

写真は全体の半分です。さすがにすべてはに入らないので今回は一部クーラーの中に入れてあります。明日あたりから様々なフィリピンの珍しい魚をご紹介します。お楽しみに。

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クラカケトラギス

2012年01月20日 08時30分33秒 | 魚紹介

一色漁港では高級食用魚から、そのままでは値が付きにくい(練製品)原材料用の魚まで様々な種類の魚が扱われています。

クラカケトラギスParapercis sexfasciata (Temminck and Schlegel)は後者的な立場の魚だったのですが最近は様々な利用法がされています。肉は白身、かまぼこ用に最適です。

クラカケトラギスは体側にある斑紋(V字型とも、ウサギの顔とも?)や尾柄部の黒色斑が特徴で、ほかのトラギス類と間違えることが少ない種類です。従来は練り製品などの原材料の魚として知られていましたが、現在ではそのほかにもフライ、てんぷらなどの惣菜にも使用されていたりするようです。

こちらは愛媛県での小型底曳網で漁獲されたもの。クラカケトラギスは小型底曳網では普通に入ります。練り物、すりみからフライ、一品モノにまで使えるクラカケトラギス、お見知りおきください。

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チョウセンバカマ

2012年01月19日 16時36分44秒 | 魚紹介

今日は比較的珍しい深海性の変わった魚のご紹介です。

チョウセンバカマBanjos banjos (Richardson)です。

チョウセンバカマは私も初見の魚でした。この魚は、トロ箱の中にテンスや、クラカケトラギス、ヒメジ、イサキなど所謂「雑魚」の中に混ざっておりました。こういう、複数の魚が一つのケースの中に入ってるのを見るのは、魚好きにはたまらないものでしょう。「宝の山」といった感じです。私ももちろん即買い!

最初この魚はちらっとしか見えず「カゴカキダイみたいなのがおるな」程度の認識でしたが、その後袋へ魚をうつすときに私にとって初見の「チョウセンバカマ」とわかり気分上々↑↑という感じでした。初見の魚はうれしいものです。

このチョウセンバカマ、漢字では「朝鮮袴」と書きます。由来はよくわかりません。チマチョゴリを連想させるとか、そのようなことが書かれたブログや、ウェブサイトなどもありましたが、確かな答えは見られませんでした。また「トゲナガイサキ」という別称もあります。こちらは「棘長鶏魚」でしょう。棘の長いイサキのような魚、という意味ですね。ただチョウセンバカマ科魚類はイサキ類とはあまり近い分類学的位置にはないようです。体の形状などはツボダイにも似ているような気はしますが・・・。

チョウセンバカマ科の魚は世界で1科1属1種という大変小さなグループです。普段は水深200mほどの深海にすみ、底曳網で漁獲されますが定置網などでも漁獲があるようです。食用になりますが、あまり美味ではないとのことです。

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