今日は3月31日である。つまりはもう年度末である。今年度は海には4回ほど行った。ただし遠征ばかりであり、お金が厳しい。魚を購入することも昨年度ほど多くはなかった。
外来魚チャネルキャットフィッシュをつかった「なめパックン」。茨城県行方市、道の駅たまつくり
最近は外来魚を「食べて駆除」という話をよく聞くものである。近年は環境教育というものもあり、外来生物の学習などもある程度行われており、各地の高校などで外来魚をはじめとする外来生物の利用などについても語られるようになった。そこには「外来魚の積極的な利用」ということが語られる。ただし、現在日本にいる「外来魚」はその多くが「利用するために」日本に導入されたものであることを念頭に入れるべきだろう。
先月長良川の一件で話題となったニジマスなどはその例であろう。ニジマスは釣り堀などで釣るためのゲームフィッシュとして、あるいは食用として利用するために大量に養殖されている。その歴史は外来魚の代名詞ともなっているオオクチバスよりも長い。しかしながらその養殖場、もしくは釣り掘からの逸脱により野外に逃げ出し、あるいは漁協により放流が行われ、在来種に悪影響をおよぼしている現実がある。オオクチバスが今なおあちこちの河川、池沼に見られるのもゲームフィッシュとして(違法な)移植放流がなされているからにほかならない。これも「外来魚の利用」である。在来のメダカと似た生態系の地位をもち、仔魚を産むことで繁殖力が高いカダヤシも、ボウフラの駆除のために持ち込まれたものであり、これも「外来魚の利用」である。つまり、ひとくちに「外来魚の利用」といっても利用方法を誤るとかえって環境に悪影響を与えてしまう。外来魚の積極的な利用は、「食用にするため」のような致死的なものに限るようにすべきであり、「持続的・恒久的な継続」にならないようにするべきであろう。「SDGs」と絡めるのであれば、「短期間持続的に外来魚を積極的に利用し、かつ早いうちに根絶できるような利用法」ととらえるべきで、「外来魚の恒久的な利用法」にしないよう注意が必要だ。
なお、外来魚はほとんどが淡水魚であるため、食べて駆除というのは積極的にしにくい場合も考えられる汚濁が著しい場所の魚はよほど慣れている人でないと食するのに抵抗があるし、寄生虫の懸念もあるため生食は危険。魚類ではないが魚類同様水生の生物としては最近話題となった「じゃんぼたにし」ことスクミリンゴガイなどは卵に毒をもつという。「食べて駆除」はけっこうなことではあるが、事前に調べておかないと危ない場合がある。