魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

カナフグ

2024年03月09日 15時34分19秒 | 魚紹介

さて、新しい魚のネタがないので、今回は以前入手した魚をご紹介。フグ目・フグ科・サバフグ属のカナフグ。カナフグは私は初めて出会ったフグである。私の魚の入手は魚市場や仲買の方、釣りなどの採集に頼ることになるため、有毒で捌くのに免許を要するフグ科の珍種との縁はあまり近くはない。カナフグは肝臓に毒があるとされるが日本産は筋肉は無毒とされるものの海外では筋肉にも毒があるらしく扱いには注意が必要である。

カナフグの鰓孔は明らかに黒い。この特徴によりシロサバフグやクロサバフグなどのほかのサバフグ属との識別は可能である。ただし、フグのしろうと調理は危険が伴うので、自分でやろうとしないこと。

カナフグの英名Smooth blaasopというが、「Smooth」は英語で「円滑」とか「なめらか」という意味になる。Blaasopは南アフリカで「フグ」を意味するようで、Pufferよりも多く使用されているようである。どうやらアフリカーンス語由来っぽい。実際に本種はクロサバフグやシロサバフグ、そして私のぶろぐではいまだ登場していないドクサバフグの3種とよく似ているものの、背中にはこれらのフグにある小棘がない。触るとたしかになめらかつるつるしている。

腹部にもほかの3種に見られるような棘はない。しかしその代わりに小さな突起のようなものが線状に並んでいる。しかし棘ではない。これらの特徴によりシロサバフグ、クロサバフグ、ドクサバフグとの同定は難しくないだろう。しかし、これをあてにして同定をしてはいけない。フグというのは、常に食への誘惑とともに、ヒトの生命を脅かす魚なのだ。

昔々の図鑑ではカナフグは妙にオレンジ色の体をしていて、それが記憶に残っている人もいるかもしれない。実際には金ぴかで美しい色をしている。また皮膚の筋も美しい。本によっては「全長1m」なんていう記述も見られるが、実際にはもっと小さいという。しかしそれでも体長70cmなんて驚きの個体もいるらしい。日本では東北地方以南の太平洋岸、富山湾、山陰、玄界灘、九州西岸に分布し、海外では台湾、朝鮮半島、済州島、中国、インドー西太平洋に広く分布しているようで、暖海域のサバフグ属魚類といえそうである。日本ではシロサバフグ・クロサバフグと比べて数は多くない。今回はHN「あらら」さん経由でMasaaki Wadaさん(おそらく)より譲りうけた個体。いつもありがとうございます。これにより日本産のサバフグ属魚類でいまだに入手していないのはドクサバフグのみになった。

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