最近ぶろぐの更新頻度が落ちている。その理由は私自身が茨城県と栃木県の2つの県をまたにかけた活躍をせざるを得ない状況になっているからだ。今月など、起きている時間については栃木県にいることのほうが長くなる見通しである。
さて、そろそろAIがヤバくなってきそうだ。
AI画像がジャーナルに登場する土壌ができている(写真はAIではない)
最近公開された新しいAI動画は、ヒトが撮影した動画と遜色なく動物のドキュメンタリー風動画をyoutubeにアップロードできることを示している。今のところ動画内の昆虫は足が4本しかないが、それが6本足になるのも、遠いことではないだろう。しかしながら、このようなAI動画というのは常に悪用されるリスクも孕んでいる。以前も岸田総理のフェイク動画がニュースになっていたが、この手のAIによる偽の動画が蔓延るようだと、そう遠くないうちに科学が「作られたもの」になる危険がある。
たとえば、ダイビングで日本固有種のユウゼンの群れの中に日本に産しない別のチョウチョウウオ科の動画を仕込むなどできてしまうかもしれない。ただ、幸いなことに日本からの初記録として報告するならば写真だけでなく、標本も必要であり、水中写真だけでは報告してもコンセンサスは得られない。しかしながら短報くらいは書けてしまいそうである。現在は査読なし掲載料だけですぐ投稿されるハゲタカジャーナル誌も多く、それ自体も問題視されるが、今後AIで作られた画像がジャーナルに登場するための土壌が作られているのは確かなように思う。
飼育情報サイトは今後ますます信用できなくなる(従来から信用できないものも多かったが)
AIの登場で今後大幅に方向転換を強いられることになりそうなのは飼育情報系のサイトである。AIにより作成された飼育情報サイトが、生物の適切な飼育情報を提供し、これまでの低品質なサイトを駆逐する、のではなくむしろその逆で、さらに状況が悪くなってきた。AIにより作成された飼育情報サイトはまさに滅茶苦茶な内容であり、今後は劇的に品質は向上するのかもしれないが、現状は人間執筆の低品質サイトをはるかに下回るようなクオリティの文章しか書けていない。
そもそもとして、AIは魚を飼育したことがあるはずもなく、ではなぜ飼育サイトを書くことができるのかといえば、飼育サイトの内容を認識してそれをベースに書いているので著作権的に「限りなくクロに近いグレー」なものである。もちろん、AI文章だけでなく、AI画像においてももちろん著作権的にグレーの画像が生み出されており、Twitter(現X)においてはNo More 無断生成AIなるハッシュタグが一時流行った(流行った、は言い過ぎかも)。
AIによりヒトの暮らしが快適になるどころか、ヒトの仕事が奪われ、画像をパクられ、信頼できる情報へのアクセスが困難になる(もっとも、2010年代末からそんな状態だったかもしれないが)。そんな未来が待ち構える。そろそろAI、ヤバくなる前に規制した方がよくないか。なお、いつもの通り画像と本文についてはあまり関係がないと思うのでそこんとこヨロシク。