魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

オオグチイシチビキ

2022年11月28日 15時16分23秒 | 魚紹介

昨日、オオクチハマダイをこのぶろぐでご紹介したが、今回はよく似た名前の魚をご紹介。同じくフエダイ科の魚である、オオグチイシチビキである。なお、本種は「オオグチイシチビキ」であるが、ハマダイのほうは「オオクチハマダイ」で3文字目に濁点はつかない。

オオグチイシチビキの口はその名前の通り大きく、大型個体では主上顎骨が眼の後縁にまで達するように見える。しかしこの個体は体長156mmの幼魚であり、眼の中央下よりわずかに後方に達する程度である。大きいものは下顎もより突出する。

尾鰭は上・下葉の先端に黒い点が入っている。ほか、オオクチハマダイのように中央部が凹んでいるのも特徴的である。背鰭と臀鰭の後方も若干伸びている。尾鰭の色彩は成長すると赤紫色になる。

 

本種をふくむイシフエダイ属は世界で1属2種が知られ、日本には両方の種が分布している。もう1種イシフエダイは頭部がオオグチイシチビキに似ているものの、イシフエダイでは体の色彩は青みがかる。またイシフエダイでは各鰭が黄色っぽいという特徴もある。またオオグチイシチビキよりも小型で全長は40cmほど。Fishbaseでは70cmとかあるけれど、普通はこれほど大きくはならない。ヒメダイ属の魚に似ているが、ヒメダイ属の魚とは鋤骨に歯帯があるので見分けられる。

オオグチイシチビキは食用魚である。最大10kgほどになり沖縄方面では「てんくちゃー」などと称されるが、「沖縄さかな図鑑」では価値がやや低いとされている。美味しいとは思うがまだ食べたことはない。普通100m以深の岩礁域に生息しており、深場から釣りなどで漁獲されるが、幼魚は浅い場所から釣りや定置網で漁獲される。今回ご紹介した幼魚もまさしくそのような個体で奄美大島・名瀬の浅瀬で釣れたもの。星 剛彦さんより。ありがとうございました。

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