魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ナミスズメダイ

2022年11月16日 15時03分43秒 | 魚紹介

今日は先日沖縄からやってきた魚をご紹介。スズキ目・スズメダイ科・クラカオスズメダイ属のナミスズメダイ。

ナミスズメダイはスズメダイの仲間で、体高がありそのぶんがっしりしてみえる。本種の体色は背中が灰色であるが、その灰色は海の中では紫色に見える。腹部や腹鰭は黄色くなっていて、背鰭と臀鰭は暗い色だが、後方は白色、透明である。

クラカオスズメダイ属は高い体高が特徴的なスズメダイの仲間で、日本に4種類が生息している。このナミスズメダイのほか、クラカオスズメダイ、ニセクラカオスズメダイ、そしてヤマブキスズメダイである。クラカオスズメダイはこのぶろぐでも以前取り上げたことがある。ニセクラカオスズメダイは琉球列島でもやや珍しい種とされている。ヤマブキスズメダイはクラカオスズメダイ属としてはやや深いサンゴ礁域に生息しているもので、なかなか出会えない珍しい魚である。一方海水魚店で「ヤマブキスズメダイ」とされているのは、イエローリップダムゼルという別種であるので注意が必要。イエローリップダムゼルはインドネシアやフィリピンの浅いサンゴ礁に生息しているためよく輸入されているが、ヤマブキスズメダイは最近ほとんど輸入されない。可能性があるなら沖縄便くらいであろうか。なおイエローリップダムゼルの学名はまだついていない。近縁のインドネシア産種バツナズダムゼルとの詳しい比較が必要のようである。

ナミスズメダイもヤマブキスズメダイ同様、若干水深のあるサンゴ礁域に多く生息している印象がある。水深45m以浅で見られるようだ。ただし本種は浅場にも見られる。日本では琉球列島以南で見られるが、幼魚は八丈島や高知県柏島などでも見られるという。海外では台湾、東インドー西太平洋のサンゴ礁域に生息する。従来はインド洋や紅海にも分布するとされていたが、これらは現在別種とされている。背中が緑色っぽくなり、腹部は黄色ではなく白くなる。ただし幼魚では鰭などが黄色くなるようで、ナミスズメダイの幼魚と見分けるのはちょっと難しいかもしれない。

ナミスズメダイはスズメダイ科としては大型であり、若干消費されているようである。今回は塩焼きにして美味しくいただいた。脂がよくのりそこそこ美味である。長いこと入手したかった魚だが、ようやく今回入手できた魚である。今回は沖縄在住の友人、HN「どぅハタ」さんより。いつもありがとうございます。

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