ソコダラ科は深海魚の中でもとくに多様性に富んでいるといえるグループの一つだとされる。北極から南極までほぼすべての深海に生息しているソコダラ類は世界で300種以上が知られ、日本でも様々な種が生息している。もちろん駿河湾の沖合底曳網漁業でもソコダラの仲間はいろいろ網に入る。
写真のソコダラ科の魚はワニダラという。ワニダラは名前は聞くものの実際見たのは初めての種類であった。
ワニダラはスジダラ属の魚で、この属の代表的な種は属の標準和名にもなっているスジダラである。下顎にあるヒゲはスジダラのそれよりも長い。また顔つきもスジダラより丸い。スジダラは平らになっている。スジダラ同様に眼の上方に烏帽子状突起はあるものの、本種はあまり目立っていない。
分布域は駿河湾、熊野灘、土佐湾、西太平洋。生息水深は300~500mで、スジダラよりはやや深いように思われる。この個体も青山沙織さんの「ヘンテコ深海魚便」より。ありがとうございました。