お元気でいらっしゃいますか。世の光の榊原 寛(ひろし)です。
今日は、小野口博雪さんと言いまして60台になられる御婦人のエッセイを紹介いたします。小野口さんは長い間、幼稚園教諭として奉職し、後に幼児図書の出版会社の編集部に所属し、そして続いてNPOに所属し、難民救援活動に協力。現在に至っている方です。彼女とある大学教授とのEメール往復書簡が、『子どもの目線子育ての視線』という本になりました。その中に、「天国にも地獄にも空家はない」という小見出しがありまして、私の心に留まるものがありましたので御紹介してみます。
神を知らぬ時代から今までに、私は4回死にかけました。時には医者に見放されました。ペニシリンのない時代で肺炎を起こしたら死ぬしかなかった子どもの時も、そして大人になってからもです。親戚や友人が結核で死んでいった時、私も一歩手前でした。病気の問屋と言われながら今日まで生きてきました。東京大空襲に遭い、天も地も焼け崩れて足の踏み場もない猛火の中を逃げ回りました。我が家は消失してしまいました。なぜか私は奇跡的に生き残りました。無念にも死んでいった多くの人のためにも、このいのちは絶対に無駄にはできないのです。それからも何回か死にかけていますが、いつも神は私に、「まだ天国にも地獄にも空家はないよ」とおっしゃるのです。そこで私は、殺されるようなことがあっても、当分死ぬ訳にはいかないのです。天寿を全うするにはまだやることがたくさんあるようです。まさに死ぬひまもないということは本当です。
小野口さん、私も存じ上げていますが、今もお元気で前向きにがんばっていらっしゃいます。
旧約聖書の伝道の書3章という所には、こんなことばがあります。「天の下では何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある。生まれるのに時があり、死ぬのに時がある。」とあります。これは人々が運命と名づけているかもしれませんが、神は私たちにこのようなすばらしいお声をかけていてくださいます。「神のなさることはすべて時にかなって麗しい。」運命ということがあるとしても、その運命をさえ支配されている神が、あなたのために私のためにしてくださることは、すべて時にかなって美しい、麗しい、すばらしいのです。この神様に生かされているということを感謝し、喜びながら、精一杯生きて生きたいと思います。もう死にたいということがいっぱい起きます。でも、まだまだ神様はあなたのためにも、まだ天国にも地獄にも空家はないよとおっしゃっているんです。誰かのためにも、神様に喜んでいただくためにも、今日一日、がんばってまいりたいと思います。
(PBA制作「世の光」2005.5.12放送でのお話しより )
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