世の光の時間です。お元気ですか? 安海靖郎(あつみ・やすお)です。
文化庁長官も務められた心理療法の大家・河合隼雄(かわい・はやお)さん、残念ながらこの7月にお亡くなりになりました。この河合さんがその著書『人の心はどこまでわかるか』(※講談社プラスアルファ新書)という本の中で興味深いことを書いておられます。それは、自分は心理療法家として資質がないのではないかとか、自分(に)は不向きな仕事なのではないかとよく考えた、って言うんです。また、こんなふうにも書いているんです。「自分はだめじゃないかという気持ちを持っていないと進歩がありません。自分はだめじゃないかという思いがしなくなったら、それは本当にだめになった証拠です。」と。ま、初心忘るべからずということでしょう。けれどもまたそれだけではなく、一人ひとりの大切な人の心に対面していく時、本当に自分自身が新鮮な思い、謙遜な思いを持っていくことがどんなに大切かっていうことを言われているのだと思います。
これはまた私たちの生き方や成長のためにもあてはまるのではないでしょうか。ま、自分はできるんだ、やれるんだ、やるんだと頑張り、またそれがプレッシャーになってしまったりすること、多くある訳です。でも、自分はだめじゃないかと自覚すると案外、そうだそれでいいんじゃないか、という納得や自己受容もできるということもあるのではないでしょうか。
旧約聖書には、へりくだる心、謙遜な人に神様を身近に感ずることができると、こんなふうに言われているんです。イザヤ書の57章の15節です。「わたしは、高く聖なる所に住み、心砕かれて、へりくだった人とともに住む。へりくだった人の霊を生かし、砕かれた人の心を生かすためである。」 神様は、へりくだった人と共にいてくださるというのです。
私たちは自分がだめなんだと心から思えるような時にこそ心から神様を身近に感じる、また神様を求める思いが生まれるのではないでしょうか。人は神様の前ではありのままになれます。謙遜になれます。そこに神の愛と力を実感し、受けていくことができるというのです。あなたもそんな経験をしてみてください。
(PBA制作「世の光」2007.11.16放送でのお話しより )
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