ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

いろんなできごとを面白がってしまおうと思っています。
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松谷みよ子さんのエッセイを読んで 8

2014-03-19 11:34:22 | 本や言葉の紹介

中浦和“ふうるふうる”のたらです。

 松谷みよ子さんの 『現代の民話・銃後編』を読んだときは、権力側がどんな言いがかりをつけてくるかわからない恐ろしさに、えっ、こんなことまでするのかと考え込みました。
 特にびっくりしたのが牧師さんのおしめの話です。

 第二次世界大戦中に牧師さんが特高(特別高等警察)につかまってひどいめにあわされたけど、その理由がおしめ。そのころは着古したゆかたなどでおしめを作っていたため、色や柄がさまざまなのが普通です。ところが特高は、「色や柄に意味を持たせて、干す順序で情報を送っていたんだろう」という疑いをかけてしょっぴいた。まったくそんな事実はなかったのに。

 特別高等警察(とくべつこうとうけいさつ)とは、特定の行為・運動の取り締まりを目的として設置される警察組織でいわゆる政治警察や思想警察のこと。疑いをかけた人を自白させるために過酷な尋問や拷問を加えたため、耐えかねてウソの自白をさせられて罪人に仕立て上げられたことも多かったそうで、「特高ににらまれたら終わりだ」と畏怖の対象だったそうです。
 牧師さんに目をつけた特高は、“神国大日本帝国に逆らってキリスト教を広めようとする国賊”を痛めつけて手柄をあげたかったんでしょう。
  今なら、「特定秘密保護法にふれることをしているから逮捕する」と、有無を言わさず逮捕するってことか。

 去年の暮れ、20代後半の女性にこの牧師さんの話を例にして特定秘密保護法について話したところ、「戦争中に牧師なんかやっているほうが悪い」と切って捨てられました。
 そのかたのお母さんはグアテマラの政変に巻き込まれて海外に逃げて財産を失い、日本人と結婚して大変な苦労をしてきたのに! 
 それを知っているのにそんなことを言うんだとビックリガックリしたけど、いや、だからこそそういう結論になるのかなあとも思いました。生活の心配なく暮らすことがいちばんだから、波風たてるようなことをしないほうが得だと。
  うーん……