ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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週刊朝日の原発ルポで その1

2011-09-16 16:00:30 | 原発

中浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 福島第一原発が今どんな状態なのか、最近ほとんど報道されていないのがかなり気になっていたところに、週刊朝日が9月16日号のスクープルポ「福島第一原発に入った!」(福島第一原発完全ルポ 第1弾)が目についたので即購入。
 サブタイトルは『原子炉建屋の中は木っ端みじんだった このすさまじさ、政府・東電の「大本営発表」はインチキだ!』。

 記者は東電幹部のX氏の案内で敷地内に入り、写真撮影も含めて取材しています。
 ざっと読んでまず気になったのがX氏のこと。誰だかを特定されたら大変なことになるんじゃないか、東電内部で“犯人”探しをされてつらい目にあわないといいなと思ったら、案の定、次号9月23日号「原発ルポ第2弾 このままでは原発テロが起きる」で、

 福島第一原発「完全ルポ」を掲載した本誌(9月16日号)が発売されて、すぐに政府が何をしたか。「誰が(記者を)中に入れたんだ」と、東京電力に“犯人捜し”を命じたのである。

  と書かれていた。うーん、やっぱり政府も東電も後ろ暗いことがあるわけねと思ってしまう。

 ルポから少し抜粋してご紹介します。(青字が原文です)

●9月16日号のルポ第1弾より~~~~~~~

 原発の半径20キロ圏内は4月22日、災害対策基本法に基づく「警戒区域」に設定され、住民を含めて原則として立ち入りが禁じられた。そのため、内部の情況は国と東京電力の「大本営発表」によってしか把握できないのが現状だ。

私を内部に招きいれたX氏の思いは明快だった。
「このすさまじい原発事故は、必ず収束させる。これを教訓として二度と同じ過ちを犯してはなりません。しかし、本社も国もここで起きている本当のことを広報していない。だから、きちんと現場を見て感じて、それを報じてもらうことが大切だと考えたのです。それによって、国民が知ることができるのですから」

 東電が公表した「工程表」では、来年1月中旬までに原子炉の「冷温停止状態」を目指すとしているが、実際のところ、すでに「メルトダウン(炉心溶融)」したとされる燃料の状態も、正確なところはまったく把握できていない状況なのだ。

  厚さ2メートルほどと、飛行機が突っ込んでも大丈夫というほど頑丈に造った4号機の建屋のコンクリート壁は飛び散り、巨大なコンクリート片が壁面にぶら下がっている。
  3号機の分厚いコンクリート壁は粉々、鉄骨はグニャグニャに曲がり、原形をとどめていない。建屋の中に入ると、頑丈なはずの原発内部は、歩く道筋すらわからないほどつぶれていた。
 2号機はまったく無償のように見えたが、X氏は次のように明かす。

 「実は、内部はかなりの被害です。実際問題、津波による直接の被害は少なく、地震だけで大ダメージだったことになる。地震対策に問題があったと認めざるを得ない。それに線量も高く、作業員が長時間中に入ることはできない」
 原発事故の要因は津波なのか地震なのか。東電は「想定外の津波だった」として、現状の耐震基準を見直そうとはしていない。東電はもちろん、政府は今後、2号機の現状をどう説明していくつもりなのだろう。

  1号機は建屋の鉄骨の骨組みだけが残っている。

 1号機と2号機の間にある「排気筒」につながる配管は、8月1日に東電が発表した「毎時10シーベルト」以上という驚愕の高線量を計測した場所だ。人間は「7シーベルト」を浴びれば100%が死に至るとされる。そんなとんでもない線量の場所が、現場ではいきなり見つかる。まさに、死と隣り合わせの状況が続いているのだ。

 5、6号機は大事には至らなかったとされており、外見上はさほど損傷が見られないため、東電は再稼働をほのめかしたが、実際にはとてもそんな情況にはないとして、X氏発議のように言う。

「現場を見てもらえば、わかるでしょう。再稼働なんて、まったく現場を知らない人が言っていることです。機器のメンテナンスだけで膨大な時間がかかる。再稼動なんてありえない」

 現場の作業員たちは日々、命を削りながら復旧作業に取り組んでいる。

  いつ事故が起きてもおかしくない情況だ。

 東電は8月30日、現場で作業にたずさわっていた40代の男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。被曝量から、「医師の診断で、福島での作業との因果関係はない」とされたが、X氏はこう言う。

「現場での放射線管理をしっかりしなければ、と思いました。(中略)いまも毎日1~2回、救急車が出動しています。もっと作業員の労働環境を整えなければなりません」

  一方、私が原発の現場に行ってわかったことがある。東電が公表している情報は、うまく“編集”されていて被害の実態が把握できない。

 ありのままの「生」の情報、それがいま求められているのである。

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  恐怖や不安を増幅するつもりでこの記事を紹介しているわけではありません。
 いま何を考えて何を実行していくのがベターなのか。
 最高によいこと・ベストは選べないかもしれないけど、「モア・ベターよ」(文法はこのさい考えないでね)な道を行くための材料のひとつとしてとらえてくださいね。

  で、あと何回か紹介するつもりです。