ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

いろんなできごとを面白がってしまおうと思っています。
日常のあれやこれや記事です。

「そういう日本を取り戻す」のはお断り

2017-05-09 11:44:21 | 本や言葉の紹介

 今日の東京新聞「本音のコラム」の鎌田慧さん(ルポライター)の発言を抜粋します。

●日本をもどさない
 「日本を取り戻す」。安倍首相得意のスローガンだが、どこから何を取り戻すかはわからない。

 「2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい」と、こんどは、いよいよ戦争のできる国へ改憲のご託宣。まだ何も議論されず、それも「高等教育の無償化」を餌に、奨学金ローンに苦しむ学生たちを改憲に引き込もうとする阿漕(あこぎ)さ、バカにされてはいけない。

 なにが共謀と認定されるかわからない「共謀罪」を、今国会で採決したい安倍首相は、「一般人には関係ありません」と猫なで声。「隠すことがないなら恐れることはないだろう」とは、かつてのナチスのプロパガンダ。軍隊や政府の悪口をいった一般人が、憲兵や特高に捕まった時代が、いま取り戻されようとしている。

 日本を戦前に戻しちゃダメだよ。
 「戦争ができる国、権力に逆らうやつはどんな言いがかりでもつけて捕まえて拷問できる国、国民の安全は後回しにするのが当然な国、そういう日本を取り戻す」のはお断り。


「原悲」

2017-04-23 11:49:17 | 本や言葉の紹介

 前回・前々回で『どうせ死ぬのになぜ生きるのか  晴れやかな日々を送るための仏教学講義』(名越康文 PHP新書)を紹介しましたが、 『生きるとは、自分の物語をつくること』(河合隼雄・小川洋子 新潮文庫)で 「悲」についての河合隼雄さんの発言を見つけました。
 この本、とても面白く興味深く読めたので、続きがあるならぜひ読みたいと思ったら……この本のタイトルのもととなった対談をしたのが2006年6月15日で、河合さんが倒れられたのがそのすぐあとの8月17日とのことで、とっても残念。

河合 キリスト教は「原罪」が基本であるけれど、日本の宗教は「悲しみ」が根本になるのが多いです。
小川  情緒的というか感情的なんですね。
河合  だから僕は、「原罪」に対して「原悲」があるという言い方をしています。日本のカルチャーは原罪じゃなくて、原悲から出発しているから、と言っているんです。
小川  日本語の「かなしい」という言葉には、いろいろな意味がありますものね。
河合  「悲しい」や「哀しい」、「愛しい」も「美しい」も全部「かなしい」ですからね。

  悲しみが根本になる宗教かぁ、うーん。


「慈悲」の「悲」 1/2

2017-04-17 10:09:23 | 本や言葉の紹介

 「慈悲」ってなんで「悲」という漢字が使われているのだろうなあと気になって調べたことがあり、悲しいという意味の他にもあわれみなどの意味もあると知ったのですが、なんかいまいち解決しないなあという思いがありました。
 仏の慈悲とは神の愛と同じというような解説を読んだこともあるのですが、なんか違う感じなんだよなあと思っていました。
 また、「愛」という言葉を振りまいている人がいます。神の愛をイメージして使っているようですが、その「愛」という言葉を、自分の欲望を相手に押しつけるために利用しているように見えるので、それは「愛」じゃないよねえと思って首をひねっていました。
 つい最近読んだ『どうせ死ぬのになぜ生きるのか  晴れやかな日々を送るための仏教学講義』(名越康文 PHP新書)に、疑問に思っていることに対して、こんなふうに考えるとわかりやすいなあと思ったところがあるので抜粋します。

●慈悲とは東洋の「愛」である
 そもそも「慈悲」とはなんでしょうか? キリスト教の「愛」に対して、仏教の「慈悲」が比較されることもあるぐらい、仏教においては大切な言葉なのですが、これは理論的には「慈」と「悲」からなる言葉です。
 「慈」というのは、「相手が人間として成長していくこと」を願う気持ちです。「相手の成長を願う」というとずいぶん偉そうな印象を受けるかもしれませんが、「慈」というのは、決して相手を下に見ることではありません。仏教ではすべての人間の中に「仏(本来の自分)」があると教えます。「成長」とは、自分の中にある仏(本来の自分)に気づくことであり、「慈」とは、それを思い浮かべて祈る、ということなのです。
 一方、「悲」というのは「相手の立場を理解する」ということです。言葉や論理のレベルで理解する、ということではなく、身体的な感応を高め、相手と同調することによって得られる共感のことです。他人の辛い気持ち、しんどさ、といったものが自然と、心の底で共鳴するように感じ取れることを「悲」と呼ぶわけです。
 「慈悲」とはこの二つを合わせたものであり、一言でまとめれば「相手の心に感応したうえで、相手の成長(仏=本当の自分に気づくこと)
を願う」ということになるでしょう。

 僕らが日常的に抱いている「愛情」と、仏教の「慈悲」というのは、ずいぶん性質の違うものだということに気づかれたのではないでしょうか。
 例えば小説や漫画、映画に現れる愛情表現を見ても、自分の恋人に対して「素敵な人に成長してね」と願う登場人物はあまり登場しません。むしろ、「ずっと私のことを愛していてね」と、相手の感情が変わらないことを「愛」として取り扱うものが非常に多いのです。
 そういった「愛」は、相手を所有し、同一化しようとする「愛」であり、それは「慈悲」とはかけはなれたものになってしまうでしょう。


『女子の武士道』から 8/8 頭を垂れ腰を低うできる、本物の気高さと強さを身につけるのです

2017-04-13 08:38:51 | 本や言葉の紹介

 「えばりんぼほど中身がないということを覚えておいで。稲穂はたわわに実れば実るほど頭がひくうなる。稲穂じゃなくとも、豊かに実れば枝先は低うなる。人間もまったく同じで、おのれ自身が豊かな人ほど心が寛大になるから腰が低うなるのですよ。それも、立場が弱い者であるほど、相手に対する憐憫も手伝って、自然と頭を下げるようになる。それこそが真の気高さというものではないかと思いますがね」

 はい。


『女子の武士道』から 7/8 最後の判断はつねに自らなさい。すべての責任を負う覚悟でなさい

2017-04-12 12:13:49 | 本や言葉の紹介

 「どうしたものかわからないとき、どっちを選んだものか迷うときは、結局のところ何がいちばん大事なのか、これだけは失のうてはならないというものをたったひとつだけ考えるようにしましたよ。
 そのためには身内に我慢を強いることもあるし、相手に対して鬼のようにならねばならぬこともある。いずれにしても、おのれがきちんと決めることですよ。人に聞くのはあくまで意見のみ、最後の判断はいつでも自らせねばなりませぬ。そうなればすべても責任はおのれにかかってくる。ひるがえってみれば、すべての責任を負う覚悟がなければ、一大決心などできようはずもない」

 誰かの意見通りにして思うとおりの結果が出なくても、その意見の通りにしようと決めた自分にすべての責任があるんだよ。


『女子の武士道』から 6/8 人の上に立つ以上は寛大に、そして自ら隙をつくりなされ

2017-04-11 10:07:46 | 本や言葉の紹介

 「一から十まで何もかも自分がやろうとはなさいますな。上に立つ者の行うべきは、みなが働き安うなるように才覚を使うことです。みなをよく見て理解し、それぞれの能力をうんと使えるように智恵を絞りなされ。ただし、いかにもみなのことを考えてるふうな様子はけっしてなさいますな。みっともないですえ。それから下の者のやることについて寛い心で構えなされ。仕事の智恵を話しに来た者については、よく聞いてやりなされ。それがすでに自分で思いついていたようなことでも、初めて聞くようになさい。感心する気持ちを失のうてはなりませぬ。ともかく寛大に寛大に、そして、いかにもおかしらだと威張るよりも、ひょうひょうと隙をつくりなされ」

 みんなをよく見て理解し、それぞれの能力をじょうずに使えるように智恵を絞るって、フェミニンリーダーシップと通じるねえ。
 人を育てるのも上に立つものの行うべきこと。大きな義務だよね。

  寛大にしていて、さらにすきをつくっていると、アホはなめてかかってくるんだよね。そういうアホさんは自滅していくよ。自業自得ってことがわからないからまわりに敬遠されて、自分だけが鼻高々で、自滅していることさえわからない。そんな人間にならないようにつねに自省していきたい。


『女子の武士道』から 5/8 人に認められることよりも、自分で納得できるかが問題

2017-04-10 09:19:55 | 本や言葉の紹介

 「人から認めてもらいたいという思いをバネにして、良い仕事を行う者ももちろんおります。けれど、いつでも誰かが認めてくれるとは限りませんからの。いつかは心が満たされぬようになるものだえ。その点、誰が認めてくれようとも自分が納得できないのであれば評価せぬ、という姿勢は留まるところを知りませぬ。そのような思いで仕事に向かっている者は、どこまでも上達していくものですよ」

 評価されることばかり求めたり、人の評価に左右されるのは、自分の価値を他人に明け渡しているのと同じなんだよ。


『女子の武士道』から 4/8 心を静める方法を持つ

2017-04-09 13:29:39 | 本や言葉の紹介

 お祖母さんが20歳になるころ、世の中全体が不満と閉塞感にさいなまれ、倫理道徳が守られなくなることもあった。

 「年老いてきた父は、言ったものです。でたらめが通る世の中で義を守り徳の道を選び取ることはさぞかし辛かろう。しかし、おのれがその道を捨てたその時が、本当の世の乱れが始まるのだと思え、と。まっとうな人生を歩むかどうかは自分が決めることですからね。真の世の乱れを我とわが身に受けるのは、結局のところ父の言うとおり、自分が非道を選んだときからでしょう」

 心を静める方法をいくつか持っているのは自分を鍛えることに通じる。お祖母さんにとっては書や茶の湯などがその方法であったそうです。
 悲しみや怒りにさいなまれたときにはせっせとひたすら歩き、その思いを抱いている自分から一時期離れ、自分自身がよく見えるようにし、思いに振り回されず落ち着いていようという気持ちをつくったとのこと。

 いったん自分の感情から離れることってとても難しいけど、何か熱中できること、一心に取り組めることがあるといいんだね。習い事って、その方法の一つになるんだ。というより、心を静める方法の一つにできるくらいになれば、習い事って役に立つのかもしれないなあ。習っているだけ、免状を持ってるだけじゃまだまだなんだろうねえ。


『女子の武士道』から 3/8 大切なのは基本・根本・実行

2017-04-08 07:58:46 | 本や言葉の紹介

『女子の武士道』から 3/8 大切なのは基本・根本・実行
 5歳前から四書(中庸、大学、論語、孟子)と日本史の本を与えられたお祖母さんは、なかでも論語を繰り返し学んでそらんじるほどになったそうです。

 「けれど、学んだことを行っていなかったら、学んでないのも同然だ、と父はしじゅう言いました。それゆえ、少しでも日常の行いが間違っていると、それが学んでいない証拠だと叱りつけられるのです。けれど学んだことが大人になって役に立ったのは行ったからですね。やはり頭だけではなりませぬ。」

 「簡単なことであれば、やりやすいものですからの。簡単なことと思うて為さないでおくと根本が身につきませぬ。人は根っこが基本となるのです。根本がしっかりしていないなら、どうして難しいことを為せましょう。これもまた簡単な理屈です。」

 うん、知ってたって使えなくちゃ役に立たない。実行できることが、「知識を智恵にする」ことなんだよねえ。
 いきなりむずかしいことをおこなうのは、それこそむずかしい。身の回りのこと、簡単なことをきちんと実行していくことが「できる力」を蓄えるいちばんの近道だねえ。だから「基本を知ること」と「日常生活を大切にする」ことがだいじ。


『女子の武士道』から 2/8 空元気でも元気は元気。そのうちホントの元気がわいてくる

2017-04-07 08:19:19 | 本や言葉の紹介

 著者が沈んでいるときにお祖母さんは、
 「空元気でも元気は元気。そのうち本物の元気がわいてくるよ
と声をかけてくれたそうです。

 脳科学からいっても、なにかをいやいやながらやり始めても、だんだんと脳がその気になってやる気が高まるそうなので、最初は空元気でも本物の元気がわくってことには納得だなあ。
 とにかく、やってみること、だね。


『女子の武士道』から 1/8 誇りを守るための「やせ我慢」はあっぱれ

2017-04-06 11:51:23 | 本や言葉の紹介

 『女子の武士道』(石川真理子 致知出版社)は、著者が12歳までともに暮らしたお祖母さんの言葉から、「人としての心得」『女性としてのあり方」を紹介したもので、副題は、『武士の娘だった「祖母の言葉五十五」』です(「女子」は「じょし」と読ませています)。
  お祖母さんは明治22年に生まれ、米沢藩士だった父親から武家の娘としての厳格な躾を受け、明治・大正・昭和を生き抜いたとのこと。
 「女は家を守るもの、堪え忍んで生きるもの」なんていう方向や、きな臭い道徳教育などに利用されそうなところもある本だけど、とりあげられているお祖母さんの言葉やその父親の言葉には「そのような心構えで生きたい」と思うものが多いので、いくつか抜粋します。

●陰で奥歯を噛んでいたとても平気の平左で生きてやる
 武士という身分を失いさらに逆賊の立場に立った明治維新後のことをお祖母さんが父親に聞いたとき、いっそ自害すると言い出さなかったのか、どうして耐えることができたのかと訊ねたそうです。そのとき笑い飛ばすような勢いで陽気に言ったという父親の言葉から抜粋します。

 「そのようなことにへこたれてしまっては面白くないからのう。誇りを傷つけられたなどと自害しては相手の思うつぼじゃ。陰で奥歯を噛んでいたとても平気の平左で生きてやるのよ。
 どんな目に遭おうとも、どっこいそれがどうしたと、知恵と心意気で相対してやるのだ。士族が無くなろうと西洋張りの日本国が生まれようと、武士の心意気が生きていることを見せてやるのよ」

 想像もしなかった返事に驚いたけど、これがあっぱれということかと、気持ちが晴れ晴れしたそうです。
 著者の感想は、「見栄を張るためではない、誇りを守るための「やせ我慢」とは、なんと格好いいやせ我慢でしょう。
 ほんとにそのとおり。
 うん、「プライド」という言葉を、見栄を張ることと勘違いしていることってけっこうあるけど、プライドは誇りのこと。誇りを守るためのやせ我慢って好きだ。つらいけど。


やっぱり面白い子どもたちの発言

2017-03-24 09:24:50 | 本や言葉の紹介

 子どもの発言って面白いから、それをまとめたいろんな本が出てるね。
 最近読んだのが、「ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか。」(てぃ先生 KKベストセラーズ2014年9月30日初版発行)。これは、20代後半の男性保育士さんが、保育園での子どもたちの発言をメモしたもの。
 いくつか抜粋します。最後のはぜひ使わせていただきたい! が、相手がいない! チャンチャン

●ご名答
女の子 「せんせい、どうしたらおとなになれるの?」
先生  「うーん、20歳になったらかなぁ」
はるくん 「……『こどもになりたい』とおもったら じゃない?」

 ほんとうにそうかもしれない。

●七夕(たなばた)の恋の真相
さくらちゃん 「おりひめ と ひこぼし あえたかな?」
先生      「会えたと思うよ」
さくらちゃん 「ひこぼしが あまのがわ およげば いっしょに くらせるのにね。おりひめのこと ほんきで すき じゃないのかな」 

 ひこぼし泳げないのかも。

●今日のありがとう
もみじちゃん 「せんせい、きょうも ありがとう!」
先生    「(そんなことが言えるなんて)もみじちゃんは偉いね」
もみじちゃん 「きょうの ありがとうは きょうしか いえないから」

 その言葉、笑顔が本当にステキで思わず頭を撫でて抱っこしました。

●どのくらい好き? の答え
ふゆくん 「○○ちゃん、だいすきー!」
女の子 「どれくらい?」
先生  (出たー! 女子のめんどくさいやつだー!)
ふゆくん 「『だいすき』って いわないと だいすきが いっぱいに なっちゃう くらい」

 天才かよ。きっと幸せでいっぱいなんだろうな。

 最後のはぜひ使わせていただきたい! が、相手がいない! チャンチャン


 「日本に生まれてよかった!」から 3/3  日本も悪い国の仲間入りをしたのか

2017-01-27 08:09:12 | 本や言葉の紹介

  「日本に生まれてよかった!」(永六輔、ケン・ジョセフ 徳間書店)から、対談でのケン・ジョセフさんの発言を抜粋します。

●世界は自衛隊を軍隊だと認識している
 日本の自衛隊がサマワに入ったときもそうでした。ぼくはバクダッドの親戚の家にいて、その自衛隊の様子をテレビが生中継していた、それを見ていた親戚の人がなんといったと思います? 「えっ、なんで日本に軍隊があるの?」と、みんなびっくりしていた。「日本は軍隊を持たない国じゃなかったのか。日本も悪い国の仲間入りをしたのか」といわれて、今度はぼくがびっくりした。
 それまでは日本だけが軍隊を持たずに大国となった。彼らにとってお手本のような国でした。日本にはみんなが目指したいと思うような理想があった。その日本が自衛隊をイラクに送ってきた。イラクの人たちから見ると、「自分たちの目指していた日本が軍隊を送ってきて、なんだ、結局は普通の国になったんじゃないか」となってしまった。
 世界がどう見ているかが何も見えていないんです。


 安倍政権は自衛隊を軍隊として扱ってるよね。憲法を改悪して戦争ができる国にしたがってるし、自衛隊は紛争地域に派遣して戦争参加できるようにしたし……世界は、日本がいよいよ戦争準備に入ったと見てるだろうなあ。
 戦争はいらない。原発はいらない。くいとめるのは国民だよね。


「日本に生まれてよかった!」から 2/3 戦争をしたくてもできない法律

2017-01-25 09:00:14 | 本や言葉の紹介

 「日本に生まれてよかった!」(永六輔、ケン・ジョセフ 徳間書店)から、対談でのケン・ジョセフさんの発言を抜粋します。

●戦争をしたくてもできないという法律(憲法)がある日本はすごい国
 (湾岸戦争のときに難民キャンプに入ったとき、難民の人と話したことから)
 (難民の一人が)「日本ってすごい国だ」というんです。「日本には、戦争をしたくてもできないという法律があると聞いたんですが本当ですか」という。
 そうしたら中央大法科のやつがいて、「それって憲法のことをいってるんじゃないですか」という。それで「あ、そうか」と思って、それでまた「まあ、いちおうそうなっているみたいですね」と。
 そのときはそれだけの話だったんですけど、その後、キャンプに入って、夕方になってみんなと話しているうちに、はじめて「あっ」と思った。
 彼らみたいにいつも戦争ばかりだと、お金があってもどうにもならない。そういう彼らにしてみれば、戦争をしたくてもできない法律がある日本という国がすごいということだったんです。 実際、ぼくたちが帰るときにも、みんな集まってきて、「私たちもいつか日本みたいになりたい」という。彼らからいわれてはじめて、ああ日本はすごい国なんだと思い知らされたのが憲法のことだったんです。


  「日本人は“平和憲法”を持っていることがどんなにすごいことかをわかっていない」と気がついたそうです。うーん、憲法の内容って案外知られていないもんねえ。
 憲法は、権力を持っている存在が勝手なことをしないようにするためのものなんだよ。
  国民をしばるためのもんじゃないんだよ。それを改悪しようとしている流れはやめさせようよ。


 「日本に生まれてよかった!」から 1/3

2017-01-23 12:49:10 | 本や言葉の紹介

  「日本に生まれてよかった!」(永六輔、ケン・ジョセフ 徳間書店)から永六輔さんの文章を抜粋します。

●「教え育てる」のが教育ではない

 声楽家の中島啓江(けいこ)さんが話してくれたこと。

  小学校のとき、「あなたは声が大きすぎる」と音楽の先生に叱られた。
 でも転校した先では「大きな声なのにどうして歌わないの?」と励まされた。
 それで嬉しくなって歌が好きになった。
 教育とはよいところを見つけて引っ張り出してやること。
 「教え育てる」のではなく、引っ張り出すことこそ本当の教育です。

 日本の戦後教育がダメだったのは、文化系だとか理科系だとか意って、まず人を分けてしまったことです。そうではなくて、「ものを作る人」と、「作る人に材料を与える人」というふうに分けなければいけません。

 もの作りの中には人作りも入っています。知識を教えるだけが教育じゃない。知識だけだったらコンピュータでも教えてくれます。


 ほんとだねえ。 一つのことからマイナス面を引っ張り出すか、プラス面を引っ張り出すか。
 知識を使いこなせるのが知恵なのよねえ。