本日、四日市市立博物館が環境未来館を併設してリニューアルされた。公害資料館も注目だが、「時空街道」が出来ることははじめて知った。原寸大の宿場が再現されているということだ。
ところで中日新聞の記事に“日永の名物まんじゅう”とある。“餅街道”は周知だけれど、“まんじゅう”も名物だったのか。
十返舎一九の“東海道中膝栗毛”に日永の追分で饅頭喰い競争をする場面がある。
講中「なあまあだあ。なあまあだあ」
弥次郎北八は、行列を見送りながら、
十ねんをまうしながらのくつさめは あつたらくちに風をひかせし
詠みすてにして、行くうちに追分に着いた。ここは、関東より大神宮参詣のための別れ道である。茶屋にまんじゅうの名物がある。
茶屋女「お休みなさりまあせ。名物まんじゅうの温いのをあがりまあせ。おぞうにもござります」
北八「右側の娘が美しいぜ」
弥次「鍵屋って店の子どもめらも、愛嬌がこぼれてるぜ」
茶屋に入り腰をかける。
女「粗茶をどうぞ」
弥次「まんじゅうも試食してみよう」
女「はいただいま」
ここで金毘羅参りらしき男と、まんじゅうの大食い競争をすることになるのだが、弥次さんはすっかり騙されてしまうという物語になっている。
四日市宿にその様子がなかった“餅街道”。日永追分でも餅ではなく“まんじゅう”だったようだ。