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表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

市井からの眺め42 弾丸列車①

2020年05月03日 | レモン色の町

<ゴールデンウイーク特集・幻の弾丸列車①>

昭和9年から18年まで、南満州鉄道のパシナ形蒸気機関車『あじあ号』は、大連港から首都新京までの710kmを8時間30分で走った。流線型をした車体の威容をご覧いただきたい。

全長約25.7メートル、高さ約4.8メートル、幅約3.4メートル、車両を引く動輪の直径はナント2メートルで石炭は1時間に3.5トンも必要だったため、人力ではなく粉砕されて自動的にボイラーへ送られていた。

この巨大車両を走らせるには、当時国内で線路幅の標準軌間だった1067mm(狭軌)でなく、広軌1435mmが必要だった。

巨大である

実は、この弾丸列車を国内から下関―釜山間の海底トンネルを抜け北京まで通す壮大な計画が立てられていたのだ。昭和7年に満州国が設立され、昭和12年盧溝橋事件が起きると、日中間の物資輸送量の増加に対処できるのかという危惧が生まれた。こうして、昭和14年、既に需要が大きかった東海道と山陽本線を使った東京から北京までの弾丸鉄道構想が生まれたのだ(この時点での計画では、弾丸列車の動輪は2メートル30センチだった。D51の動輪は1メートル40センチである)。そして「鉄道幹線調査会」が鉄道省内に設置されたが、大正7年 立憲政友会の原 敬により広軌案は却下された。しかし一転、朝鮮半島や大陸の線路幅が広軌であることから国内の基準路線(狭軌)と別に東京・下関間に広軌幹線を敷くことが必要ということになった。昭和15年、帝国議会において15か年計画が決定。用地買収と工事が開始された。

この計画は、戦争悪化のために中断したが昭和39年の東海道新幹線開通に生かされていた。ここに、島 安二郎(訂正:島 安次郎)と島 秀雄親子の尽力があったのだ。そして、島 安二郎(訂正:島安次郎)は、明治期の13年ほど関西(かんせい)鉄道の四日市工場に勤務、鉄道技師として活躍していた。

追記:鉄道に関心のある方には申し訳なかったのですが“弾丸列車”を組ませていただきました。間違いがあると思います。訂正よろしくお願いいたします。

 

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4 コメント

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Unknown (伊勢生まれの下総人)
2020-05-03 16:27:58
パシナというのは、パシフィック型の七番目の機関車という意味です。パシフィックというのは、機関車本体(炭水車を含まず)の車輪配列を表すアメリカ式の呼び名です。
動輪の前部に配置されている先輪が2軸、動輪が3軸、その後に配置された従輪が1軸の配列(2C1)をパシフィック型といいます。旧国鉄の機関車では、C51,C52,C53,C54,C55,C57,C59がこれに当たり、旅客列車に用いられました。
また、一般の人々にも馴染のあるデゴイチ。正式にはD51と言いますが、先輪1軸、動輪4軸、従輪1軸(1D1)でミカド型と呼ばれます。ミカドは日本の帝に因んで付けられた名称。戦後アメリカでは、ミカドと呼ばずにマッカーサーと呼ぶようになりました。(涙)
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関西鉄道 (タケオです)
2020-05-03 17:07:29
詳しいですね!四日市は、狭軌のあすなろ鉄道もあり というより 鉄道好きの方がたくさんみえます そういえば下総人さんの住んでいた昌栄町の阿瀬知川をはさんだ北側に 鉄道省の工場があったんですね 東海電線(住友電装)のところですね
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Unknown (Unknown)
2020-05-03 22:31:03
鉄道省の四日市工場というのは、旧関西鉄道の四日市工場。
この記事に紹介されている島安二郎さんの職場だったところ。
工場はその後、名古屋工場に統合され、四日市工場の跡地は大操車場になりました。入替え用の機関車(C58、名古屋機関区所属)が常駐し、阿瀬知川沿いの踏切近くの転車台のある駐泊所をねぐらにしていました。
昭和30年頃、浜田小学校からの帰り、上記の踏切で運悪く(運良く?笑)入替えの最中だと機関車が行ったり来たり。開かずの踏切で随分と待たされたのも懐かしくも楽しい思い出です。
このC58は入替えだけではなく、四日市港へ向かう臨港線の貨物列車牽引にも使用され、当時の私の家の前からよく見える臨港線を、夕空を背景に淡い煙を燻らしながら、ゆったりと横切って行くC58の小貨物は一幅の風景画であり、風物詩でした。
長文にて失礼しました。
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Unknown (伊勢生まれの下総人)
2020-05-03 22:40:14
先程のコメント。名前の入力を忘れてしまいました。(ドジ!)
Unknownではなく、伊勢生まれの下総人で〜す。
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