世の中には、正論がはびこっている。正論には、誰も勝てない。
この日本で、もっとも凄い正論は、「戦争放棄」だ。これには誰も異論がない。異論を差し挟む余地がない。
世界は平和でなければならない。だから、戦争は絶対にしてはいけない。
「平等」も絶対的な正論だ。よほどのへそ曲がりでなければ、反論はしない。勝ち目がない。
私など、この正論というヤツが大好きだ。正論を唱えていれば、心が痛まない。「ほろ酔い気分」においても、偉そうにずいぶんと正論を吐いてきた。
しかし、この世の中、正論を言っていれば済むものでもなさそうだ。
「平和」とか「戦争放棄」を唱えるだけで、「平和」や「戦争放棄」は叶えられない。
「平等」を叫んでいても、格差は一向になくならない。
方法論があってこそ正論が具体化できる。ところが、その段階から意見が分かれる。
正論には逆らえない。逆らえない正論を唱えているだけでは、世の中は前進しない。
日本が平和憲法を掲げ、国連に上納金を献げている間に、核武装国家がどんどん増えてしまった。
友好の推進を考えている間に、外堀が埋まってきてしまった。
諸外国とは、等距離外交でありたい。
こちらがそのように望んでも、野獣のような強国が跋扈している中、よほどのお人好しでない限り、弱虫との絆を強めてはくれない。腕力がなければ、知恵かお金。それも無理なら、子分になるしかない。
正論を果たすためには、厳しい批判をあえて覚悟しながら、具体論を推し進めなければならない。
これもまた、「正論」でしかない。
まことにやるせない限りだ。
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