安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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福岡市営地下鉄七隈線、苦戦す。

2006-01-21 09:11:34 | 鉄道・公共交通/交通政策
地下鉄七隈線やっぱり不便 沿線住民6割利用せず(西日本新聞)

昨年2月の開業からほぼ1年になる福岡市営地下鉄七隈線ですが、予想通り大苦戦しているようで。
やっぱりね~、と言ってみるテスト。

なぜ「やっぱりね~」なのかと言うと、この前、年末年始の帰省時にこの路線に初乗りに行ったときに、乗車率の悪さを体感したからである。
私なりに、この不振の原因をいくつか考えてみた。

1.空港線天神駅から七隈線天神南駅までの乗換が遠い。(10分は歩くか?)
2.他の路線と相互直通運転ができない。

七隈線の建設理由に関しては、これまで鉄道がなく不便だった城南区方面や、九州屈指のマンモス大学である福岡大学周辺の交通事情改善という名分があるわけだが、総じて、福岡市当局がこの路線をどうしたいのか、どう位置付け、どう育てたいのかといういわばコンセプトのようなものが伝わってこなかったのである。

だいたい、今のこのご時世に、都心部と郊外の住宅地を結ぶ地下鉄が、既存のどの路線とも相互直通運転をしていないというのはいかがなものか。
空港線と相互直通運転させて乗換なしで博多駅まで行けるようにしていれば、そもそもこんなふうにはならずに済んでいたと思うが、空港線が狭軌であるのに対してこの七隈線が標準軌ということは、福岡市当局に七隈線を空港線と直通させる考えは、計画段階からそもそもなかったということだ。

そこで、標準軌を採用するのなら、同じ標準軌である西鉄(天神大牟田線)と直通運転させればいいものを、せっかく薬院駅で西鉄と接続しているのに直通運転していない。天神~天神南での乗換の遠さを考えるなら、むしろ薬院駅で西鉄に乗り入れさせ、西鉄経由で天神に出られるようにしたほうが、天神駅で乗換が楽な分だけまだ親切というものだ。

空港線と異なる軌間を採用したことによって、この七隈線は後から工事をして空港線と直通させることは不可能だし、福岡市中心部の薬院駅で今さら地下から地上への連絡線を造ってまで七隈線を西鉄と接続させるのも極めて非現実的で実現できそうにない。(というか、薬院駅周辺のどこにもそんな土地はない。)

というわけで、この七隈線は、将来的に福岡市民のお荷物になりそうな気配が今からすでに濃厚である。
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