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モントリオール産チルウェイブ系エレポップ

2018-03-25 23:34:31 | 音盤ノート
Seoul "I Become a Shade" Last Gang, 2015.

  カナダ・モントリオール出身のエレポップ三人組。深く残響処理されたクルーナー系匿名的ボーカルと浮遊感のあるシンセサイザーの取り合わせで、いわゆる"chillwave"系にカテゴライズできる。バンド名が都市名と音楽ジャンルのダブルミーニングとなっているが、あまりソウル/R&Bの影響は感じない。強いて言えば、「後期ロキシーミュージックはR&Bを独自に消化している」と言われてなるほどとやっとわかるのと同じレベルである。この喩えは若い人にはわからないかもしれないな。

  要はWashed Out(参考)フォロワー──1stの頃の──の音である。アルバムに収録されている曲のクオリティは高いけれども、地味めの落ち着いた楽曲が続く、ある一曲を除いて。その一曲であるtrack 4 'Real June'は淡くきらめくアップテンポの明るい曲で、フックのあるせつないメロディが印象に残る。リヴァーブの効いたギターのアルペジオも印象的で、ネオアコファンにもシューゲイザー好きにもお勧めできる名曲である。Chillwaveの影響下からさっさと脱して、このようなドリームポップ路線の楽曲を量産すべきだと思う。

  アルバム全体を通して聴くとしんみりするが、一曲だけ場違いで、その一曲が素晴らしいという作品。日本盤CDも発行されていて2曲のボートラがついているけれども、まずはyoutubeで試し聴きすべき。そろそろ二作目が出てもいい頃ではないだろうか。
  
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