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金額と冊数でみた古書市場の規模

2017-12-18 20:42:43 | 図書館・情報学
  古書市場の規模について調べてみた。環境省は古書を「リユース書籍」と定義して、三年に一度市場調査を行っている(『平成27年リユースの市場動向調査結果(暫定版)』)。それによれば2015年の「リユース書籍」の市場の規模は787億円である。リサイクル通信では、2016年の「リユース書籍」の市場の規模は995億円と見積もられている(『中古市場データブック2017』)。出版科学研究所に従うと、2016年の新刊市場の規模は1兆5,220億円とされる(『2017年版出版指標年報』)から、金額で見れば古書市場は新刊市場のおよそ5%~6%の大きさとなる。

  金額でみた場合の古書市場の規模は小さい。冊数ではどうか。ブックオフの2013年の販売部数は2億7,525万冊と報じられている1)。2016年の数値は不明だけれども、同年も2013年と同程度であると仮定する。ブックオフの古書市場におけるシェアが53.9%と見積もられている(『中古市場データブック2017』ただし金額ベース)ことをもとに推計すると、古書市場全体で年間およそ5億1千万冊の販売部数があることになる。出版科学研究所によれば,2016年の推定販売部数は6億1,769万冊である(『2017年版出版指標年報』)。したがって,販売部数を基準としたとき,古書市場は新刊市場のおよそ83%の規模となる。ブックオフ単体でも44%となる。

  けれども,これは高めの見積もりだ。というのも、単価の高い書籍を扱う従来の古書店がまだ多く存在しているし、また古書市場の数値には雑誌が含められているからである。これらを考慮すると、古書市場全体の書籍の実際の販売部数はもっと少なくなるはずであり、新刊市場に対する規模もこれより低くなるはずである。それでも、新刊市場にとって無視できない大きさであることは確かだろう。

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1) 新文化「ブックオフ,2013年の販売冊数は2億7525万点」『新文化HP』, 2014/1/27.
  http://www.shinbunka.co.jp/news2014/01/140127-02.htm
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