神戸市立博物館で開かれている「神戸と兵庫のモダニズム」展に行って来ました。
******************** 博物館のホームページより ********************
昭和期の神戸において、近代洋風建築が建つ旧居留地や北野の風景を題材に描くことが当地の画家たちに好まれました。神戸の自然と建築を描いた作品は、モダンでエキゾティックな神戸のイメージをつくり上げることに寄与したと言えるでしょう。本展では別車博資(べっしゃひろすけ)、小松益喜(こまつますき)、神原浩(かんばらひろし)、元川嘉津美(もとかわかつみ)などが昭和初期から昭和30年代(1926~1964)にかけて制作した、建築を主題とする作品を紹介します。
また、神戸モダニズムの形成に重要な役割を果たした画家・版画家である川西英(かわにしひで)が昭和38年(1963)に制作した「兵庫百景」を初めて一括で特集展示します。戦前に版画の代表作「神戸百景」(1933~36)を発表し、戦後は神港(しんこう)新聞社の依頼により画集『神戸百景』として知られる描画シリーズ(1952~61)を制作した川西は、三度目の百景として、神戸新聞社の依頼を受けて兵庫県内のさまざまな風物を描く試みを行ないました。それが昭和37年1月から同38年12月にかけて、神戸新聞の日曜夕刊1面を飾った「兵庫百景」です。
今回公開される「兵庫百景」は、その貴重な肉筆原画で、晩年の基準作と言える資料ですが、さらにこの「兵庫百景」、実は神戸新聞社のためにもともと制作した描画とは別のセットという珍しい新出資料なのです。川西英自身が細部まで忠実に写して、色紙に描いた異版の肉筆画で、神戸新聞の連載記事と比較することもおもしろいでしょう・・・。
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神戸の建物や景色を描いた油絵なども良かったのですが、私がじっくりと見たのは古い絵はがきと川西英の「兵庫百景」でした。とくに後者は100点がズラッと並んで圧巻でしたし、明るくカラフルな肉筆画が素晴らしく、自分が行ったことがある場所や見たことのある景色などにはウキウキするような気分になり、見とれてしまいました。鮮やかな色使いはヒロ・ヤマガタとちょっと似通っているような気もしましたね。多少の汚れ(しみ?)なども肉筆画ならではのものであり、下絵の線がうっすらと残っていたり、色を重ねた後なども分かってとても興味深かったです。まず1巡目は主に絵だけを見、2巡目は新聞掲載時の文章もじっくりと読んで、2度楽しみました。最初は題材としての建物に注目していたのですが、人や季節の風物詩を描いたものなども素晴らしかったです。
この展覧会、入場料:200円、図録:200円----先着1000名には嬉しいおまけ(カラフルなマップ)が付きます----という超リーズナブルなお値段です。ほかに「神戸百景」も全部ではありませんが展示されていましたし、常設展では旧居留地の模型などもあって色々と楽しめます。会期は2/8までですので、ぜひ行ってみてください。自信を持ってオススメします。
◎参考ブログ:
↓図録
↓おまけ(部分写真です)