ひろの東本西走!?

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三ツ矢記念館(川西市平野)

2009-01-17 12:42:52 | 近代建築

先日、洋風建築めぐり講座の有志で兵庫県川西市平野にある「三ツ矢記念館」に行ってきました。ここはかつて三ツ矢サイダーの旧御料品製造所があった所で、能勢電鉄平野駅から徒歩数分の近さにあり、駅からも木立の中に三ツ矢サイダーのマークがついた塔を見ることができます。ここに明治期に建てられた小さな洋館が残っているとのことで、その存在を全く知らなかった私達はビックリです。

*三ツ矢記念館は現在、工事中のため休館中で内部を見学することはできませんが、外観を見たりすることは可能です。

三ツ矢サイダーのサイトには三ツ矢記念館のページがあり、説明文や写真を見ることもできます。このページは親しみやすい内容になっていていいですね。ホームページを見ると、ここが三ツ矢サイダー発祥の地として大切にされていることがわかります。詳しくはそちらをご覧下さい。以下、HPの内容なども引用させて頂きました。

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********************** 三ツ矢塔の説明文より **********************

天然ガスを捕集するために、湧出する源泉をポンプで吸い上げ、これを噴霧状にして四段の濾過槽を通して天然炭酸ガスを収集しガスタンクに入れ、圧力を加え液化してボンベに充填しました。この炭酸ガスは三ツ矢サイダーの製造に使われました。 この三ツ矢塔は、長い間平野のシンボルとして親しまれて来たもので、現在の塔は平成13年に復元されたものです。

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一番目の写真で左側の小さな流れが源泉が湧出していた川です。この三ツ矢塔の背後、少し小高くなったところに旧御料品製造所がありました。

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この建物は、皇室及び宮家へ納入する御料品を製造するため、明治45年(1912年)特別に建築されたものだそうです。玄関部の庇と持ち送りのデザインにやや時代を感じるものの、外壁などは塗り直されてよく手入れされており、とても明治45年の建物とは思えません。ただ、基礎部(土台部)には煉瓦が使われており、ここはやや傷みがありました。また、引率の先生によると、構造は鉄筋ならぬ鉄網(あみ)コンクリート造だそうです。これは珍しいですね。 

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敷地の奥には、三ツ矢サイダーの碑(右)と住吉神社があります。石畳と細かな玉砂利が敷き詰められて、とても静謐な空間になっていました。木洩れ日も良い感じです。

そして、丘を下って少し川の方に行くと、かつて天然の炭酸ガスを採集したその源泉とポンプ小屋(? 濾過室?)が残っていました。何と川底からは今も炭酸ガスが湧き出ています!これには一同から感嘆の声が上がりました。

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先に書いたように、現在、三ツ矢記念館そのものは内部公開されていません。しかし、源泉では今も天然の炭酸ガスが湧出しているなど、とても歴史ある貴重な産業遺産ですので、ぜひ一帯を更に整備して再び一般に公開して頂きたいものです。

なお、近くに能勢電鉄の踏切がありますし、川に落ちたりせぬよう注意が必要です。もし、探訪される場合も自己責任で行動してくださいね。