元沖縄県知事太田昌秀氏批判 16



「こんな沖縄に誰がした」大田昌秀著

五 沖縄の自立と軍事基地―――沖縄の諸問題と解決の方法

深刻な雇用問題

驚くべき事実が分かった。復帰前までは沖縄の失業率はなんと0・6%だったというのだ。アメリカ軍が統治していた時代の方が失業率は極端に低かったのはなぜだろうか。そして、なにが原因で復帰後は失業率が高くなっていったのか、その原因を知るのは必要である。復帰前と復帰後の歴史を比較調査するべきである。復帰前はアメリカ流の経済システムであり、復帰後は日本流の経済システムである。一体何が違うのだろうか。

太田氏は1990年から1998年まで沖縄県知事をやっている。復帰から20年も経過していない。その時の失業率は何%だったのかを明らかにしないで、太田氏は2010年度の失業率を取り上げている。沖縄の失業率は0・6%から40年弱で8%へと上昇している。この上昇は異常である。アメリカ統治時代の沖縄の経済システムと復帰後の経済システムにどんな違いがあったのか。沖縄県知事であるならば興味を持つのが当然であるが、8年間も沖縄県知事をやった太田氏は関心がないようだ。

太田氏は沖縄の自立を強調しながら、日本政府の支援を仰ぎ、「特別調整費」の名目で50億円を援助してもらっている。この50億円は沖縄の自立に全然関係ないお金だ。「失業問題」を解決するには経済の発展が一番効果があり、次に本土でもばりばり働ける若者を教育で作り出すことが大事だ。そのような経済発展をすることによって失業者を減らしていく政策こそが真剣に取り組まなければならないのに、「平時に置いて10代の若者たちが仕事がないための暴走行為によって事故死するという事態は、行政の責任者として到底看過できるものではないから」という理由で日本政府から50億円を引き出して使った。沖縄の自立や若者の失業を50億円を使って解決したのだろうか。恐らくなんの効果もなかったのではないか。

太田氏は仕事がないために若者は暴走すると認識しているようだが、この認識はどのような情報・統計から得た認識なのだろうか。太田氏は暴走現場や暴走する若者たちについて調べたことがあるのだろうか。
若者はスリルを味わうために暴走する。スピードを上げるために、高い金を投資して車体やエンジンを改造する。だから暴走するためには高いお金が必要である。暴走族の多くは働いて金を貯めて、暴走するために金を使うのだ。暴走するためのガソリン代もバカにならない。失業すれば金がないから、暴走することもできない。だから、太田氏のいう、失業したから暴走するという理屈は間違っている。暴走する若者の死と失業問題とは関連性はないのだ。県知事の単純な思い込みで50億円も使うなんて考えられない。

太田氏は沖縄戦で125人の中から37人しか残らなかった体験が若者の暴走による事故死に同情しているが、太田氏は沖縄戦という特殊な状況で多くの友人をうしなったのであり、それは太田氏の特別な体験であり、平時における若者たちの暴走による事故死とは原因が全然違う。自分のトラウマのために知事という地位を利用し国民の血税を50億円も使うなんて許されない行為である。

太田氏は沖縄の自立と経済問題という切実な問題を提起しながら、この問題とは違う内容に進み、結局は沖縄の自立と経済問題の解決についてはなにも提起していない。
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