県政与党が翁長知事死去まで後継者づくりをしなかった本当の原因

県政与党が翁長知事死去まで後継者づくりをしなかった本当の原因
 翁長雄志知事の突然の死去により、任期満了による県知事選(11月18日投開票)が前倒しされることとなった。公職選挙法の規定により遅くとも9月末までには知事選が実施される見通しで、翁長氏の2期目擁立を決めていた県政与党は急ピッチで人選作業を進める。
          琉球新報
 県政与党が翁長知事が死去するまで県知事選には翁長知事を出す積りでいたのには呆れてしまった。考えられないことである。

 私の6月24日のブログには
「平和宣言をしている翁長知事の写真を見るととても痩せているが、内からみなぎってくる力強さを感じる」
と書いた。映像を見るまでもなく写真だけでも翁長知事の気力のすごさを感じた。生気はなく気力だけの翁長知事に見えた。
 7月24日のブログでは、
「膵臓全摘出した人のブログを見るまではインスリンを6回注射すれば普通の健康体になれると思っていたが、私の考えは間違っていた。インスリンを注射するだけでは普通の健康体にはなれない。翁長知事が知事の仕事をこなすことできないだろう」
と翁長知事が知事を続けることはできないだろうと書いた。
 8月1日のチャンネル桜でも膵臓を全摘出した翁長知事が知事を続けることは不可能であることを話した。テルさんはすぐに翁長知事を休養させるべきだと話していた。それから一週間後に翁長知事は死去した。

 翁長知事が死去後に驚いたのは県政与党が翁長知事の後継についての協議をしていなかったことだ。膵臓を全摘出した人間が知事の仕事をするのは困難である。翁長知事が知事選に出馬する意思があったとしても、翁長知事が出馬できなくることを想定して翁長知事の代わりを誰にするか協議をするのが当然である。
 ところが県政与党は協議をしていなかった。そのことを知った時、徹底して翁長知事をこき使うことしか考えていない県政与党と思ったが、県政与党が小さな政党の寄り合い所帯だから協議をしていなかったことに気がついた。

 県政与党は共産党、社民党、社大党、結の集まりである。県政与党ではあるがそれぞれの政党は別々のイデオロギーを持つ政党である。与党ではあっても同じ政党ではないのだから積極的に協力し合う仲のいい与党であり続けることはできない。
 それに翁長知事は県政与党の主力である共産党、社民党、社大党と対立していた自民党の党員であった。それに三党が協議して翁長知事を立候補にしたわけではない。翁長知事のほうから共闘を申し込んできたので三党で立候補させようとした琉大教授を排除して翁長知事の共闘要請を受け入れたのである。三党にとって「他人」を県知事候補にしたのである。三党にとっては初めての体験であった。
 翁長知事が膵臓を全摘出しても「他人」である翁長知事の症状のことを心配し専門医に詳しく調べた三党の政治家は居なかったかも知れない。
 翁長知事の症状について気になり、それぞれの政党内では話し合ったかも知れないが他党の議員とは話すことはなかっただろう。

 11月の知事選に向けて県政与党の、共産党、社民・社大・結に労組が会議を開いたのは8月1日である。政党に労組まで加わっているのが知事選対策会議である。新議長には照屋大が選ばれた。彼は社民党である。
4政党だけでなく労組も加わった会議であるから翁長知事の症状を心配し、翁長知事の代わりの候補者を出すか否かの協議を展開するのは困難であっただろう。

 自民党のように県政与党が一つの政党であったなら、翁長知事の症状を正確に調べ、翁長知事が11月の知事選に出馬することはできないと判断して翁長知事の代わりの立候補を選出していたはずである。しかし、県政与党は少数政党の寄り合い所帯であり、しかも翁長知事は左翼ではなくて「他人」である保守である、「他人」である保守の代わりの保守を探すのは県政与党には無理であった。だから翁長知事の代わりの人選を死ぬまでやらなかったのである。やらなかったというよりできなかったと言う方が適切かもしれない。

 県政与党は思想が同じのまとまりのある政党の集まりではない。思想の違うバラバラな政党の集まりである。政権与党になるために集まっている小政党に過ぎない。

 翁長知事が死去するまで翁長知事に代わる候補者探しの協議をしなかったのは膵臓全摘出した翁長知事の症状の重さを危惧しなかったのが原因ではなく、思想がバラバラな政党の寄り合い所帯であるのが原因であった。
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