<内閣改造>「独断専行型」予感させる小泉人事?



 05年秋の内閣改造と自民党役員人事は28日、小泉純一郎首相の指示により、特別国会開会中の31日断行という小泉流の「サプライズ」で幕を開けた。人事日程をめぐっては、自民党の青木幹雄参院議員会長が国会閉会後の来月1日説、公明党の神崎武法代表は来月2日説を表明していたが、与党幹部の予想は日程すら、あっさり否定された格好。衆院選大勝を受け、小泉首相が求心力を増すなかで、従来以上の「独断専行型」を予感させる小泉人事が始まった。
【中村篤志】
 「来月1日に国会が終了すると、(首相は)直ちに党役員、閣僚、内閣人事にかかるものと思われる」――青木氏は28日午前の参院自民党の議員総会で、今回の人事が1日に行われるとの見通しを表明。神崎氏も27日の党中央幹事会で「(内閣改造は)来月2日の予定だ」と述べており、与党幹部は「人事は国会後」との認識で一致していた。
 ところが、青木氏の発言から約4時間後、首相は自民党緊急役員会で「特別国会での法案処理にめどがついたので、31日に党役員人事並びに内閣改造を行いたい」と表明。その後、記者会見した武部勤幹事長は、人事前倒しの理由について「首相は諸課題解決のために、一刻も早く新しい体制で臨みたいのだろう」と推測した。
 もっとも首相は今週に入り、31日人事に向けて、準備を進めていたフシがある。29日夜、首相は京都で来日中のパラグアイ大統領との首脳会談を行うが、当初、会談は31日に首相官邸で開かれる予定だった。首相周辺は「会談日程が発表された25日に、日程が29日に変更された」と証言する。
 ただ、人事日程をめぐる青木、神崎発言と首相方針とのかい離は、衆院選後に見え始めた官邸サイドの「参院と公明党」離れを映し出す結果となった。首相は28日の神崎氏との党首会談で、人事日程について「みんなが1日とか2日とか言っているので(31日にした)」と説明しており、与党内には「与党幹部の裏をかきたかったのではないか」(幹部)との見方が広がっている
 ◇サプライズ人事に緊張感高まる 自民党内
 内閣改造・党役員人事の日程が決まり、焦点は小泉首相の人選に移る。自民党の森喜朗前首相は28日、TBS番組の収録で、先の衆院選での初当選組などの抜てきについて「ないと思っている。本当に重い内閣をつくってほしい」と否定してみせたが、党内では週明けに予想される次の「サプライズ」に緊張感が高まっている。
 今人事の最大の焦点は、「ポスト小泉」候補と目される麻生太郎総務相、谷垣禎一財務相、福田康夫前官房長官安倍晋三幹事長代理、安倍晋三幹事長代理の処遇。首相は衆院選直後の9月12日の会見で「私の後の総裁、首相に意欲を持っている人がかなりおり、できるだけ活躍の場が与えられるよう配慮しなければならない」との考えを示しており、次期首相を占う人事でもあるからだ。
 後継候補育成をちらつかせる首相には、改革姿勢を競い合わせるしたたかさものぞく。27日の政府の経済財政諮問会議では、政府系金融機関の統廃合をめぐり、慎重意見を展開した谷垣氏や中川昭一経済産業相らを公然と批判。首相は28日夜、記者団に対し、谷垣氏ら4氏の処遇について「これから土、日、考えます」と述べるにとどめた。
 森氏は28日の収録で、今月6日、首相と会談した際のやりとりを披露した。森氏がポスト小泉について「4人が競い合うなら、公平に舞台を作ってあげるのが大事ではないか」と、人事での重用を促したところ、首相は「基本的にはそうだ」と断りつつ、こう続けたという。「なかなか難しいなあ」
(毎日新聞) - 10月29日1時7分更新
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