尖閣列島はまだ実行支配していない

 フィリピンに米軍が駐留していた時は、比海軍は南沙諸島の海域で中国漁船を拿捕したり撃沈したりしていた。しかし、米軍が撤退して数年後には中国軍が勢力を拡大し、軍事施設を建設して同海域を実効支配している。現在は中国側がベトナム漁船を拿捕している。
 中国が東シナ海を実効支配しようとしているのは国家戦略であり、中国漁船の拿捕後の畳み掛けるような中国の攻勢は計画的な行動だ。前回の日本排斥運動では世界中の非難を浴びた反省から、大規模なデモはやらないで、世界の非難を浴びないでかつ日本だけに大打撃を与える戦術を用いている。

 中国漁船の侵入事件が続発フィリピンでは1990年代、中比などが領有権を争うスプラトリー(南沙)諸島の海域で比海軍が中国漁船し、漁民を拘束したり、中国漁船を撃沈したりしていた。ところが、92年に米軍がフィリピンから撤退し、95年に中国軍が同海域のミスチーフ環礁に軍事施設を建設して以降、周辺海域を中国が実効支配。2001年以降、比軍による中国漁船拿捕はなくなったという。
 かつて中国軍と武力衝突したベトナムは、中国と激しく対立している。国力の差が開く一方になった最近は、中国側によるベトナム漁船拿捕や漁民拘束が相次いでいるという。

 尖閣列島はアメリカ軍が沖縄の施政権を握っていたときは沖縄の漁民は安全に操業していた。ところが日本に施政権が返還されると、弱腰の日本外交が見透かされ、中国漁師が進出してきて沖縄の漁師は尖閣の海から追いやられた。
 日本政府は尖閣列島を実質支配しているというが、日本の漁師が安心して漁をしてはじめて実行支配しているといえるのであり、日本の漁師が尖閣で漁ができない現状は実行支配しているとはいえない。

 政府は日本の漁師が尖閣で安心して漁ができるようにするべきであり、ベトナムやフィリピンの二の舞になってはならない。
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